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  1. 陸前高田市議会 2021-06-15
    06月15日-02号


    取得元: 陸前高田市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-01
    令和 3年  第2回 定例会議事日程第2号             令和3年6月15日(火曜日)午前10時開議日程第1  一般質問本日の会議に付した事件   ~議事日程第2号に同じ~出 席 議 員(18人)  議 長  福 田 利 喜 君          副議長  大 坂   俊 君  1 番  木 村   聡 君          2 番  松 田 修 一 君  3 番  大和田 加代子 君          4 番  小 澤 睦 子 君  5 番  伊 藤 勇 一 君          6 番  畠 山 恵美子 君  7 番  中 野 貴 徳 君          8 番  蒲 生   哲 君  9 番  伊 勢   純 君          10番  鵜 浦 昌 也 君  11番  佐々木 一 義 君          12番  菅 野 広 紀 君  13番  大 坪 涼 子 君          14番  藤 倉 泰 治 君  15番  及 川 修 一 君          16番  伊 藤 明 彦 君欠 席 議 員(なし)説明のため出席した者  市     長  戸 羽   太 君      副  市  長  舟 波 昭 一 君  教  育  長  山 田 市 雄 君      政 策 推進室長  村 上 幸 司 君  総 務 部 長  戸 羽 良 一 君      福 祉 部 長  千 葉 恭 一 君  兼 総 務 課 長                 (兼保健課長)  兼選管事務局長  市 民 協働部長  佐 藤 由 也 君      地 域 振興部長  阿 部   勝 君  兼 ま ちづくり  推 進 課 長  建 設 部 長  菅 野   誠 君      消  防  長  戸 羽   進 君  兼 建 設 課 長                 兼 防 災 局 長  兼復興支援室長                 兼 消 防 防 災                          セ ン ター所長  教 育 次 長  細 谷 勇 次 君      財 政 課 長  黒 澤 裕 昭 君  (兼管理課長)  福 祉 課 長  佐々木   学 君      子ども未来課長  千 葉   達 君  兼地域包括支援  セ ン ター所長  兼 被 災 者  支 援 室 長  税 務 課 長  伊 藤 芳 光 君      商 政 課 長  木 全 洋一郎 君  観 光 交流課長  村 上 知 幸 君      農 林 課 長  大 友 真 也 君  兼スポーツ交流                (兼農委事務局長)  推 進 室 長  水 産 課 長  菅 野 泰 浩 君      防 災 課 長  中 村 吉 雄 君                         (兼防災対策監)  消 防 次 長  及 川 貴美人 君      学 校 教育課長  関 戸 文 則 君  (兼消防署長)                 兼教育研究所長                          兼 学 校 給 食                          セ ン ター所長  財 政 課 主 幹  菅 野   優 君職務のため出席した議会事務局の職員  事 務 局 長  熊 谷 重 昭        局 長 補 佐  山 口   透  主     任  石 川 聖 恵                            午前10時00分 開   議 ○議長(福田利喜君) これより本日の会議を開きます。  出席議員は全員であります。 ○議長(福田利喜君) これより議事に入ります。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第2号によります。 △日程第1 一般質問 ○議長(福田利喜君) 日程第1、一般質問を行います。  順次質問を許します。  16番、伊藤明彦君。    (16番 伊藤明彦君登壇) ◆16番(伊藤明彦君) おはようございます。一般質問をいたします。  東日本大震災から10年と3か月。今日で3,749日であります。4月18日には、待望の市役所新庁舎が完成し、竣工式が行われました。そして、5月6日には、開庁式が行われ、普通業務が始まったところであります。  開所式において市長は、新庁舎の再建場所については様々な議論があったが、旧高田小学校跡地を5メートルかさ上げして新築した。行政機能の拠点、心臓部が完成した。この場所にしてよかったと言われるように、市民や観光客が気軽に訪れ利用できる、開かれた市役所を目指すと話されました。改めて新庁舎に対する思いをお聞かせください。  私にとりましても、こうして新しい議場で質疑できるようになったことに感激しております。しかも、新議場におきまして、最初の一般質問に立たせていただきました同僚議員各位の御配慮に感謝申し上げます。  今、議場を見渡すと、震災前からの議員は6名で、あのときの現職議員は5人だけであります。当局の皆様においても、本会議場に入っていた当時の幹部職員は、市長一人だけだと思います。  そこで、私は震災直後の議会の動きを振り返り発言をいたしますが、お許しをいただきたいと思います。  あの日あのとき、私たちは4階の会議室で常任委員会の請願審査中でありました。激しい横揺れの地震の後、当地域に大津波警報が発令され、約40分後に高さ20メートルにも及ぶ黒い海が襲いかかりました。地震発生後、各委員会は自然流会となり、議員は各自それぞれ避難をしたり、避難誘導に当たったり、消防活動に行ったりと様々でしたが、残念ながら2人の議員と事務局においても要の局長と局長補佐、そして併任書記2名が帰らぬ人となってしまいました。改めて犠牲になられた方々に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げます。  3月定例会は、15日が最終日となっておりましたが、自然閉会となり、新年度予算は審議未了のまま廃案となったのであります。その後、全国市議会議長会からの指導もあり、避難所となっていた第一中学校の教室を借りて、3月28日に臨時議会を開き、新年度予算を成立させたのであります。以上が10年前の3月議会の出来事であります。  戸羽市長におかれましては、2月6日に市長選挙が行われ、当選後約1か月での大震災でありました。これまで復旧、復興のため懸命に走ってきたと思いますが、この10年間を振り返っての思いをお聞かせください。  次に、今後の市政運営について伺います。本年第1回定例会の施政方針演述において市長は、市政運営に当たっては大きく3つの視点から取り組んでいくとしております。  私は、そのうちの一つ、にぎわいの創出と交流人口や関係人口の創出、拡大について伺います。震災を機に、陸前高田市の行政全般を丸ごと支援する独自の取組を展開していただいた名古屋市とは、最初に両市の教育委員会が絆協定を、そして市同士は平成26年10月に友好都市協定を締結。議会においても、その後友好交流協定を結んでおります。また、震災発生から10年が経過した中、これまで交流を続けてきた佐賀県武雄市とは、両市の結びつきをさらに強化しようと、今年3月に交流連携協定を結びました。  また、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症によって途絶えている姉妹都市協定を結んでいる米国、クレセントシティ市との交流や東京オリンピックパラリンピックにおける復興ありがとうホストタウンとして登録されたシンガポール共和国など、海外の友好都市との往来ができかねておりますが、コロナの収束後を見据えどのような対応を考えているのでしょうか。  このように、震災から生まれた絆を大事にしてきた本市としては、これまでの交流を続けてきた国内外の自治体やスポーツ、文化団体等、関係団体との交流をどのように取り組んでいくのか、お示し願います。  4月20日の全員協議会において、本年度から令和5年度までの3年間の一般会計財政見通しについて説明がありました。財政見通しは、持続可能な財政運営を行うための参考資料として取りまとめたとしております。  一般会計の総額は、東日本大震災復興工事完了により震災前の水準に近づく見通しであり、令和4年度、5年度は収支不足が生ずるが、財政調整基金を取り崩して対応する。そして、収入確保と徹底的な経費節減で、同基金の取崩し額を極力減らしていくとしております。  そこで、伺います。財政調整基金残高の適正規模をどのくらいと捉えているのでしょうか。また、基準財政収入の根幹である市税収入の今後の見通しはどうか、お示し願います。  次に、改正災害対策基本法について質問します。近年頻発する自然災害に対応して、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保及び災害対策の実施体制の強化を図るため、災害対策基本法の一部を改正する法案が4月28日の参議院本会議において全会一致で可決成立し、5月10日に公布され、20日から施行されております。  災害対策基本法は、昭和34年の伊勢湾台風を契機として昭和36年に制定されたもので、災害対策全体を体系化し、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図ることを目的に制定されたものであります。  平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の後には、その教訓を踏まえ、2度にわたり災害対策の強化を図るため改正が行われました。10年前に発生した東日本大震災の後にも、その教訓を今後に生かすため、幾度か改正されてきました。  このたびの改正は、一昨年の台風19号を踏まえたもので、この台風では1都12県309市町村に大雨特別警報が発表され、広範囲に甚大な被害が発生しました。高齢者の逃げ遅れによる被災や移動中の被災が見られ、住民の避難意識や避難情報の位置づけの分かりにくさといった課題が浮き彫りとなっていたものであります。  改正法によって、災害時に市町村長が発令する避難勧告を廃止し、避難指示に一本化したことによって避難開始のタイミングが分かりやすくなるとしておりますが、避難情報の見直しを住民に分かりやすく周知する方法についてお示し願います。  また、高齢者など、避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図る観点から、個別の避難計画作成を市町村の努力義務とすることも定めておりますが、本市としての考えについて伺います。  改正法の施行により、地域防災計画の見直しが必要と思うが、現時点での進捗状況はどうか伺います。  次に、市立博物館の開館予定と運営及び文化財レスキューについて伺います。東日本大震災で被災し、中心市街地で再建工事が進められている市立博物館は、当初今年2月末に完成する予定が、7月末にずれ込むことになりました。完成後は、展示、収蔵品を保全するため、コンクリートや建材などが放出する有機化合物の屋内濃度を推奨値以下に下げる、いわゆる枯らし期間と言われる空気の安定化期間を設ける必要があるとしております。  文化庁は、文化財公開施設の計画に関する指針として、文化財公開までの期間をコンクリート打設工事後から二夏経過、またはこれに相当する環境が望ましいとして示しておりますが、市立博物館の開館時期はいつ頃になるのでしょうか、その見通しについて伺います。  東日本大震災大津波によって、陸前高田市の全ての文化施設がのみ込まれてしまいました。博物館は、考古、民俗、歴史、動植物、地質などに関する資料約23万点、海と貝のミュージアムは約11万点の貝類標本を、図書館は約8万点の書籍を、そして埋蔵文化財保管庫には市内の遺跡の発掘調査で出土した遺物や図面類など、関係書類等約14万点が保管されていました。  4つの文化施設を合わせると56万点にも及ぶ所管資料が被災しましたが、県内の博物館ネットワークでつながった学芸員たちの手によって、46万点が救出されたのであります。そのうち現在約26万点余りの資料に安定化処理がされたと聞きましたが、残りの救出資料については安定化のために旧生出小学校、あるいは盛岡市郊外の冷凍庫で劣化が進まないよう保管されております。これらの被災した文化財のレスキュー作業の進捗状況と今後の見通しはどうか伺います。  本市の博物館は、昭和34年に東北地方で初の公立博物館として開館し、昭和54年に被災時の所在地に新築移転したもので、歴史資料、民俗資料、考古資料、美術資料といった文化財に加え、多様な動植物、地質標本を所蔵する県内屈指の総合博物館でありました。  そして、東日本大震災で被災した多くの資料を岩手県立博物館東京国立博物館をはじめ、多くの関係機関が協力しながらこれまで被災文化財保存修復に関するノウハウ、特に安定化処理に関する知識や技術を蓄積し構築してきたものと思います。  こうしたノウハウを国内の博物館関係者のみならず、広く諸外国に発信することも必要と思います。そして、何よりも地元の子どもたちにも本市のお宝に誇りを持ってもらうような独自事業も必要と考えます。そこで、開館後の運営について、どのように考えているのか、お示し願います。  以上でこの場からの質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。     (市長 戸羽太君登壇) ◎市長(戸羽太君) 伊藤明彦議員御質問の新庁舎完成と今後の市政運営につきましてお答えをいたします。  初めに、新庁舎に対する思いについてであります。平成23年3月の東日本大震災で市役所が全壊し、その年の5月にプレハブの仮庁舎を建設したときから、新庁舎の再建は復興事業の一番最後という認識を庁内では共有していたところでございます。  新庁舎の再建場所については、様々な立場の方から様々な御意見をいただいたところでもあります。  市議会においても、平成29年3月定例会においては、出席議員の3分の2以上の賛同を得ることができず否決となり、同年6月議会で再提案し、可決していただいた経緯がございます。  私といたしましては、安全性、コスト、建設に要する期間、今後のまちづくりにおける市役所の役割など、様々な点について熟慮し、方向性を決めたところであります。  今日に至るまでには、建設位置、そして市役所の形状などについて、市長選挙でも争点となるなど、様々な御議論をいただきましたが、実際に完成した市役所を見ていただくことにより、これまで私が説明してきたことについて、一定の御理解はいただけたものと考えているところでございます。  私の思いといたしましては、市役所庁舎は陸前高田市の顔であり、まちづくりにおいても大きな役割を果たすものと思っているところでございますので、まずはこの新庁舎に負けないような行政サービスを展開し、敷居の低い、市民に親しまれる市役所を目指してまいりたいと考えているところでございます。  次に、10年間を振り返っての思いについてであります。市長就任直後に東日本大震災が発生し、全ての市民が絶望の中にある状況から、どのようにして希望を見いだしていくのか、そのことばかりを考えてきた10年であったように思っているところであります。  どうしたら市民の皆さんが前向きになってくれるのか、一歩踏み出してくれるのか、笑顔になってくれるのか、そのためには失敗を恐れず、可能性のあることには積極的に挑戦をしてきたところであります。  しかし、そのように前向きに挑戦することができた背景には、市民の皆様が厳しい環境の中で踏ん張ってくださったこと、市職員の皆さんも復興に向け努力を重ね、知恵を絞ってくれたこと、そして何よりも大きかったのは、市議会の皆さんと一つになって復興に取り組めたことであると思っているところであります。  特に当時市議会議長であった故西條廣議長や伊藤明彦前議長とは、政治的な立場が異なっていたわけでありますが、それでも陰に陽に私を支えていただき、適切なアドバイスなどをいただいたことにより、復旧、復興をスムーズに前に進めることができたと思っているところであります。  また、この10年間でたくさんの方々と出会い、信頼関係を築いてこれたことにも感謝しながら、引き続き陸前高田市らしい魅力あるまちづくりに全力を傾けてまいりたいと考えているところでございます。  次に、にぎわいの創出と交流人口や関係人口の創出拡大についてであります。本市におきましては、震災を契機として、友好協定を締結した名古屋市や米国、クレセントシティ市、東京オリンピックパラリンピックにおける復興ありがとうホストタウンとして登録されたシンガポール共和国などとの交流が生まれ、産業、教育、行政など、様々な分野で効果的な交流、連携を進めてまいりました。  今年度におきましては、昨年度に引き続き、名古屋市から防災、産業、芸術・文化、スポーツの4分野で交流団が本市を訪れ、交流を行うこととしております。  オープンから1年9か月を迎えている道の駅高田松原を含めた高田松原津波復興祈念公園については、県内外から多くの来場者にお越しいただいており、道の駅高田松原の昨日時点での直近の累計来場者数は92万9,000人を超えており、間もなく100万人に到達する見込みであります。  さらに、復興祈念公園内においては、この6月から観光物産協会パークガイド事業をスタートさせており、震災遺構であるタピック45と気仙中学校の内部見学にも多くの予約が入っているところでありますので、今後も津波伝承館や道の駅と連携を図りながら、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂や震災の記憶と教訓を後世に伝える活動に取り組んでまいりたいと考えているところであります。  スポーツを通じた交流につきましては、昨年8月に高田松原運動公園が完成し、総合交流センターと併せ、スポーツを楽しむ環境が整ったところであります。これまで、それぞれの施設において、小中高校生の各種スポーツ大会をはじめ、川崎フロンターレや元プロ野球選手によるスポーツイベント三陸花火大会なども実施されているところであります。  さらに、今年7月には、広田地区に県立野外活動センターがオープンすることから、総合交流センター及び高田松原運動公園等との連携を図り、スポーツ大会や合宿の誘致に取り組むとともに、スポーツ以外のイベント開催を通じてにぎわいの創出につなげてまいります。  関係人口については、本市に関心と愛着を持ち、何度も繰り返し訪問され市民と交流を続けている方や、ふるさと納税に協力いただいた方々など、本市に関わりを持ち続ける陸前高田思民の方々とのより一層の関係深化を目指してまいります。  市といたしましては、引き続き様々な形で連携を図ることで、それぞれの施設や事業の魅力を高め、国内外に積極的に情報発信することで本市への人の流れを促進させ、にぎわいの創出と交流人口、関係人口の拡大につなげてまいりたいと考えているところであります。  次に、財政調整基金残高の適正規模と市税収入の見通しについてであります。本市の財政調整基金の残高についてでありますが、令和元年度末で約49億円、現在調整中の令和2年度末で約61億円となる見込みであり、約61億円のうち将来国に返還する分や土地区画整理事業への充当が決まっている分を除いた純粋な残高は、約44億円となる見込みであります。  財政調整基金の適正規模についてでありますが、適正規模の公式な見解はないところであり、一般的には標準財政規模の10%程度と言われているところであります。  本市における令和元年度の標準財政規模は約65億円でありますので、その10%となる6億5,000万円程度が一つの適正規模の目安になるものと考えているところであります。  しかしながら、財政調整基金には、多発している災害や経済事情の著しい変動への備えのほか、今まさに直面している新型コロナウイルス感染症のような突発的な財政需要への備えという目的があることから、一概にどの程度の残高を保有すれば安心という金額のお示しは難しいと考えているところでありますが、現在見込みの約44億円という基金残高につきましては、一定程度の財政需要に耐え得る水準の蓄えであると認識しているところであります。  本市の根幹的な収入である市税収入の見通しにつきましては、令和3年度においては新型コロナウイルス感染症の影響により、市内の宿泊業、飲食サービス業及び漁業等に従事される方の所得が減少し、これに伴い個人市民税は令和2年度の当初予算より1億2,000万円程度の減少を見込んだところでありますが、令和3年度の個人市民税の課税事務を終え税額を積算したところ、当初の見込みより減少幅は小さく、4,000万円程度の減少となり、税収は当初の5億5,000万円から6億3,000万円程度になるものと見込んでいるところであります。  また、その他の市税につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で不透明な部分もあるところですが、現時点においてはさきに公表した今後の財政見通しから大きな変化はないものと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。なお、その他の御質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきますので、御了承願います。 ◎防災局長(戸羽進君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 防災局長。    (防災局長 戸羽進君登壇) ◎防災局長(戸羽進君) 災害対策基本法の一部改正に伴う地域防災計画の見直しにつきまして、命により防災局長からお答えいたします。  初めに、避難情報の見直しが図られたことについての住民等に対する周知についてであります。今般国が設置した令和元年台風19号等を踏まえた避難情報及び広域避難等に関するサブワーキンググループ最終取りまとめを受け、避難情報に関する災害対策基本法の一部が改正されたところであります。  国が実施したアンケートでは、避難勧告、避難指示の両方の意味を正しく理解していた住民は2割未満であり、正しく理解されていないことが示されたところであります。  また、市町村向けのアンケートでは、警戒レベル4に避難勧告、避難指示の両方が位置づけられ、住民に分かりにくいとの回答が約7割になったところであります。  このことを受け、避難のタイミングを明確にするため、警戒レベル4を避難指示に一本化し、危険な場所から全員避難を終えることとなったところであります。  なお、従前の避難勧告が発令されるタイミングで新しい避難指示を発令することとなっているところであります。  住民の皆様への周知につきましては、災害の発生が差し迫っている際に危険な場所から迅速に避難していただくため、新しい避難情報とその際に取るべき行動を市ホームページに掲載するとともに、チラシの全戸配布及び地区ごとに更新する土砂災害・洪水ハザードマップに記載する準備を行っているところであります。  さらに、避難情報に対する理解力の向上を図るため、出前講座や防災マイスター養成講座等の場を活用し、周知することといたしております。  また、避難を呼びかける防災無線等の放送内容につきましては、避難情報を伝えるだけでなく、起こり得る災害の危険性や取るべき避難行動を分かりやすく伝えることができるように、今後も引き続き努力してまいりたいと考えているところであります。  次に、個別避難計画の考え方についてであります。近年の災害における犠牲者のうち、高齢者の占める割合が高いことから、避難の実効性を確保するため、今般の災害対策基本法の一部改正で個別避難計画の作成が市町村の努力義務となったところであります。  個別避難計画の概要といたしましては、避難行動要支援者ごとに避難支援を行う者や避難経路及び避難先の情報を記載することとなっているところであります。  なお、計画の策定に当たりましては、防災、福祉、保健、医療等の各分野の連携が必要であり、特に福祉専門職の参画が非常に重要であると認識しているところであります。また、避難を支援する自主防災組織等の地域住民の理解と協力も欠かせないものであると考えているところであります。  今後市といたしましては、避難行動要支援者名簿の精査を行うとともに、高齢化が進むことにより、支援を必要とする人が増え、支援者の不足が予想されることから、避難行動要支援者名簿登録者のうち、ハザードマップで危険な区域に居住する等、特に助けるべき避難行動要支援者を優先し、計画の策定を進めなければならないと考えているところであります。  このことから、現在自主防災組織活性化事業を実施しております下矢作地区を個別避難計画策定モデル地区として、策定に当たっての問題点や課題を検証し、避難行動要支援者の方が適切かつ迅速に避難ができるよう努力してまいりたいと考えているところであります。  次に、地域防災計画見直しの進捗状況についてであります。現在災害対策基本法の一部改正を受け、地域防災計画の見直し作業に着手しているところでありますが、主な修正点といたしましては、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保につなげるための避難情報の見直しとそれに伴う発令基準の変更、個別避難計画策定について、市に努力義務が課せられた項目等が中心となっております。また、国の防災基本計画及び岩手県地域防災計画の修正内容も反映することといたしております。  今後の見直しスケジュールについてでありますが、9月末頃までに素案を取りまとめ、関係機関への意見照会後、11月頃に市民の皆様から御意見を伺うパブリックコメントを実施し、その後防災会議を開催する予定といたしております。  なお、地域防災計画の修正後につきましては、議会の皆様に御報告するとともに、市ホームページで公開することといたしております。  以上をもちまして答弁といたします。 ◎教育長(山田市雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 教育長。    (教育長 山田市雄君登壇) ◎教育長(山田市雄君) 市立博物館の開館予定と運営及び文化財レスキューにつきまして教育長からお答えいたします。  初めに、市立博物館の開館時期の見通しについてであります。本市の市立博物館は、震災以前は自然史、考古、歴史、民俗、美術資料などを中心に、約23万点の資料を所蔵する総合博物館として運営してきたところでありますが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の大津波により、全壊したところであります。  現在建築中の博物館は、平成29年10月に策定した陸前高田市立博物館基本構想・基本計画に基づき、同じく東日本大震災により全壊した海と貝のミュージアムも兼ね備え、地域に根差した新たな総合博物館として、災害復旧事業を活用して令和元年12月に着工したところであります。  完成時期は、本年7月30日までとしているところでありますが、工事完成後は建築材料から発生し、展示資料の劣化の要因となります汚染化学物質を除去し、館内の空気を清浄化させるためのいわゆる枯らし期間が必要となっております。  この期間については、文化庁の文化財公開施設の計画に関する指針によりますと、文化財公開まではコンクリート打設後から二夏の経過、またはこれに相当する環境の実現が望ましいとされております。  このようなことから、新しい博物館の開館時期につきましては、空気環境の測定を行いながら、コンクリート打設後から二夏を経過した後の令和4年の秋頃を予定しているところであります。  次に、文化財のレスキュー作業の進捗状況と今後の見通しについてであります。被災資料につきましては、東日本大震災により市立博物館や海と貝のミュージアムなどで所蔵していた資料約56万点が被災し、そのうち約46万点を岩手県立博物館などの協力をいただきながら回収したところであります。  回収された資料の安定化処理、修復技術につきましては、我が国はもとより、世界的に見ても未確立の部分が多い中ではありましたが、これまで国の被災ミュージアム再興事業を活用し、岩手県文化振興事業団や大学などの専門機関へ委託して、処理技術開発を行いながら、昨年度末までに約26万点の安定化処理を終えたところであります。  この被災ミュージアム再興事業は、昨年度までは国の継続事業でありましたが、今年度は単年度の事業となっております。  本市にとって、残りの約20万点の資料の安定化処理、修復を継続することは本市の自然、歴史、文化に関する調査研究、また震災の教訓、記憶等の伝承からも大変大切な事業であることから、来年度以降も昨年度と同様に県と連携して国へ事業継続となるよう要望し、安定化処理、修復を続けてまいりたいと考えております。  次に、開館後の運営についてであります。本市の市立博物館は、東北地方第1号の公立博物館として、昭和34年に旧気仙町役場庁舎の一部を改装し開設され、その後昭和54年に高田町字砂畑地内に新築移転して以来、本市の自然、歴史、文化継承の拠点として運営してきたところであります。  新しい博物館につきましても、これまでの博物館の運営方針を継続しながら、あわせて世界でも例を見ない、被災資料の安定化処理、修復を行った資料の展示、また安定化処理、修復作業の公開を行うことによって、東日本大震災の風化防止と伝承を行っていく総合博物館として運営してまいりたいと考えております。  また、新しい博物館は、国宝、重要文化財等の展示公開が可能な公開承認施設を目指していることから、その要件を満たすための事業の推進を図っていきながら、あわせて子どもたちが本市の自然、歴史、文化に興味を持ち、観察会などを通して、体験しながら学べるような事業も展開してまいりたいと考えております。  以上をもちまして答弁といたします。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 再質問をいたします。  最初の質問でありましたが、時間配分、大変難しいなと、残りありませんけれども、何点か質問させていただきます。  最初に、博物館の関係でありますが、開館時期については、令和4年の秋頃を予定するということでございますが、その管理について確認しておきたいと思います。公立の図書館や博物館については、指定管理者に委託する自治体も最近出てきております。本市においても、9月定例会において、図書館の条例の一部を改正する条例、提案ありまして、12月に指定管理で行うことになりましたけれども、私は博物館に関しては、先ほど御答弁でいろいろあったとおり、指定管理がなじまないものと思いますが、その辺1点確認しておきたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。
    ◎教育次長(細谷勇次君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 教育次長。 ◎教育次長(細谷勇次君) 教育次長よりお答えいたします。  新しい博物館は、海と貝のミュージアムを統合した形のものとなります。また、被災資料の安定化処理でありましたり、資料の公開といった形で、震災前の博物館とはちょっと違った運営になるのではないかなということをひとつ考えております。  また、あわせまして公開承認施設を目指しているということで、その承認基準の中に文化財の取扱いを習熟している専任の学芸員を2名以上置くことというようなこともございます。公開承認施設の取得には、ほかの博物館とかの例を見ると、かなり時間を要しているというようなところもございます。また、その間に重要文化財を3回以上公開しなければならないといった、そういったこともございますので、そういったことを総合的に考えますと、当面は直営での管理が適切なのではないかと今現在のところ考えているところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 今指定管理には向かないということで、公開承認施設になるという予定でありますし、そのことによって重要文化財の展示等もあるわけでございます。本市の学芸員の方々も頑張っていることですから、ぜひそのように計らっていただきたいと思います。  それで、新しい博物館にも収蔵庫を設けるわけでありますけれども、大きく見えますけれども、収蔵庫はそんなに大きさないと思いますので、現在旧生出小学校にも収蔵庫が3つ、そのほかに冷蔵庫があるわけでございますが、これは活用せざるを得ないと思いますが、今後の見通しについてお答え願います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎教育次長(細谷勇次君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 教育次長。 ◎教育次長(細谷勇次君) 教育次長よりお答えいたします。  旧生出小学校の収蔵庫、冷凍庫ということになりますけれども、現在漁具でありましたり、その他の資料が、新しい博物館で展示する予定のものが収蔵されているところでございます。新しい博物館の完成に伴いまして、そちらのほうに展示室だったり収蔵庫に移動するということにはなりますけれども、その空いたところには、現在安定化処理、修復を外部に委託しているものがございます。そちらが終わって戻ってきたりとか、あとほかの施設の冷凍庫にお願いして預けているものとかもございますので、そちらが戻ってくるということを考えますと、当面は生出の収蔵庫、冷蔵庫もそのまま活用することになるのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 次、文化財保護活用地域計画を聞こうと思いましたけれども、同僚議員が後日質問を予定されておりますので、割愛させていただきます。  それで、これまで文化財のレスキューについては、岩手県の文化振興事業団や大学の専門機関等に大変お世話になってきて進めてきたわけでありますが、そのバックには文化庁の応援があったと思います。私が平成24年の7月19日、同僚議員がまだ明治大学の大学研究所におったときでありますが、文化庁に同行させていただきまして、その際感じたのは、非常に沿岸地区の被災した文化財の復旧に熱い思いを持った方々がたくさんいらっしゃったわけでございます。そこで、今後のレスキューにつきましても、先ほどの答弁では県と連携しながら要望を続けていくと言いましたけれども、コロナの収束後を見ながら、教育長自らいつか文化庁を訪問して、現状と、それからこれからの復旧について熱い思いを伝えていただきたいと思いますが、その考えについて伺いたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎教育長(山田市雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 教育長。 ◎教育長(山田市雄君) 被災ミュージアムの再興事業の継続という観点での御質問かと思いますけれども、先ほどの答弁でも述べさせていただきましたけれども、この被災ミュージアムの再興事業につきましては、平成24年から昨年度までの9年間の継続事業でありました。この間、生出小学校の講堂に冷凍庫を造ったり、様々な施設を国のほうから整備していただきました。回収した資料の46万点のうち26万点の安定化処理を終えて、主にこの26万点は貝とか植物とか、そういった自然的なものでありまして、残りの20万点につきましては、紙とか、それから美術品とか写真とか、そういったものが主になっておりますけれども、かなり多くの資料が今冷凍庫の中に保存されております。  答弁でも述べさせていただきましたけれども、これらの安定化処理を図っていくことは、本市の自然、歴史、文化の継承にとって大変重要なものであるというふうに認識しておりますので、この事業の継続につきましては、岩手県教育委員会と連携することが非常に大事かなと思っておりますので、文化庁に直接となるかどうかは別としまして、県教委と連携して、来年度もこの事業がまた継続されるように、強くお願いしてまいりたいというふうに思っております。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 次に、改正災対法について何点か伺います。  避難情報について、何よりも大事なのは住民の命を守ることだと思いますが、これからホームページの掲載やチラシの全戸配布を考えているようでありますが、その時期についてお示しいただきたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎防災課長(中村吉雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 防災課長。 ◎防災課長(中村吉雄君) 防災課長よりお答えいたします。  チラシの全戸配布につきましては、7月の1回目の区長文書、恐らく7月7日になろうかと思いますが、その際に新しい避難情報を掲載したチラシを配布する予定でございます。また、そのチラシの裏面におきましては、避難情報のみならず、本当に危険な場所にいらっしゃるか、自分が避難すべき場所に住んでいるのかなど、そういう安全を確認していただけるフローチャートみたいなものもつけておりますので、ぜひそれを御活用いただければと思っているところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 7月の初めに出すということでありますが、暦の上では先週11日に入梅ということでありますし、昨日関東地方は梅雨入りしたということで、これから雨の多い時期になりますので、早く対応していただきたいというふうに思います。  それで、個別避難計画、これについて福祉部門の専門職の参画も必要だということでありますけれども、なかなかコロナ禍の中で大変であると思いますが、ぜひ協力をしていただきたいというふうに思います。  また、何といっても自主防災組織の力がないとできないと思いますので、震災前は自主防災組織の組織率が沿岸地区で100%、全体でもかなり高い数字だったと思いますが、現在の自主防災の組織率はどのぐらいでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎防災課長(中村吉雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 防災課長。 ◎防災課長(中村吉雄君) 防災課長よりお答えいたします。  現在市内の自主防災の組織率でございますが、今年、令和3年の4月1日時点で66.4%となっております。沿岸部と内陸部に分けましても、ほぼ同等の数字で今組織されておるところでございます。また、組織率は、100%を目指すということで、まだ未結成の地区におきましては積極的な働きかけをすると同時に、組織されております自主防災組織におきましても、やはり活動が停滞ぎみのところが多くございますので、そちらの活性化策も組織率の向上と同時に行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 66.4%、思ったより組織率高まっているなというふうに思いますけれども、かつては小さい部落単位で組織しておりましたけれども、なかなか高齢化が進んで、支援する人よりも支援される人のほうが増えているという現状にありますので、これらを下矢作でモデル地区でやるということでありますので、それらを全体に普及というか、示せるような方策についてというか日程について、お示しいただきたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎防災課長(中村吉雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 防災課長。 ◎防災課長(中村吉雄君) 防災課長よりお答えいたします。  下矢作地区で展開させていただいております自主防災組織の活性化事業、昨年は少しコロナ禍で停滞をしてしまいましたが、本年は3年目ということでございまして、かなり各行政区において自主防災組織の重要性を認識していただいているところかと思っております。その中で、今後は各自主防災組織におきまして、個別計画を含め各地区の問題点、課題点を今洗い出していただいて、その解決方法について検討しておりまして、一つ目標でございますが、年度内には各地区ごとの地区防災計画のようなものを作成して、それぞれの地域での防災力の向上に努めてまいっていただきたいというふうに準備しておるところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) 年度内ということでありますので、なるたけ早くお願いしたいと思います。自然災害は、予測はできても避けることはできないわけでございます。しかし、人的被害は、最小限に食い止めることができます。今NHKの朝ドラで、気象予報士になるヒロインが出ておりますが、天気は未来が分かると。先が分かれば人のためになるということであります。人のため、住民のため、情報は早め早めにお願いしたいと思います。答弁は結構でございます。  時間がありません。最後に、財政調整基金について、御答弁は要りません。震災前は、2億程度だったと記憶しておりますけれども、枯渇する心配もありまして、なかなか厳しい財政運営でしたが、先ほどの御答弁で、今年度、2年度末、44億ということで、非常に頼もしいなというふうに思います。幾らであればいいということはないわけでありますけれども、やはりこれからも将来の歳入の減少、そして歳出の増加に備えて、決算状況を踏まえながら可能な限り積立てすることが肝要と思いますので、財政当局にはその辺をよろしくお願いしたいと思います。  それでは、今全国的に東京オリンピックパラリンピックホストタウン事業が厳しいところに直面しております。あさって本市でも聖火リレーがあるわけでありますけれども、ホストタウンの交流事業はどのように、現状でどういうふうになるのでしょうか、お答え願います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎観光交流課長(村上知幸君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 観光交流課長。 ◎観光交流課長(村上知幸君) 観光交流課長からお答えをいたします。  議員御案内のとおり、今コロナの状況がありまして、なかなかシンガポールの選手がこちらの市に、陸前高田市に来て市民と直接交流をするホストタウン事業を行うということはちょっと困難になってきております。  今現在本市と、あとはシンガポール側と、ではどういうことができるのだというところで今協議を進めているところでございます。基本的にはリモートでの交流を行いながら、あとは一昨年市民の皆様から寄附をいただいたマーライオンの設置の除幕式であったり、あとは共生社会を学ぶためのアート交流事業であったり、そういうものを相互に展開し合えないだろうかということで協議を進めておりますので、その事業内容が固まり次第市民の皆様に周知をして、一人でも多くの方に参加をしていただきたいということで今進めているところでございます。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) シンガポール共和国、あるいはアメリカ、クレセントシティ市の交流について、あるいは交流人口の拡大についても、本市の前参与が今年3月に創業した陸前高田企画株式会社との関係が非常に大事かと思いますが、あるいは観光物産協会もそうでありますが、こういう団体との付き合いというか、これからの方向性をお示しいただきたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎観光交流課長(村上知幸君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 観光交流課長。 ◎観光交流課長(村上知幸君) 観光交流課長からお答えをいたします。  前参与の村上さんの今回立ち上げた会社につきましても、事業内容からすれば活動体験型のそういうコンテンツづくりであったり、姉妹都市間の特産品の卸売であったり、そういう商社的な地域ブランドの国内外の展開に向けた会社というふうに聞いております。本市の観光のこれからを見た場合に、そういう分野とのつながりというのは非常に大事な分野でございますので、企画株式会社のほかにも様々な市内企業がございますので、そこも含めながら連携をしながら、交流人口の拡大、地域経済の発展に寄与するような事業につなげていければいいというふうに考えております。 ◆16番(伊藤明彦君) 議長。16番、伊藤明彦。 ○議長(福田利喜君) 伊藤明彦君。 ◆16番(伊藤明彦君) すみません、時間が押してしまいましたが、最後の質問にいたします。  先ほど市長から、10年間を振り返っての答弁がありました。少し胸が熱くなったところでありますけれども、震災前の市長選では、私は相手候補の責任者でありました。震災前までは、政治的スタンスの違いから様々ぶつかることもありましたけれども、私はこの震災あったときから、市民のため、あるいは復旧、復興を前に進めなければいけないということで、市長や当局と協力しながらやってきたつもりであります。この10年間、間違いではなかったと思っておりますが、市長の思いについて最後にお聞きしたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 先ほども御答弁させていただきましたが、本当に当時選挙があって、伊藤議員は相手方の責任者ということで、水と油みたいな部分も当然あったわけでありますが、ああいうことが起こってしまって、本当にすぐに私のところに来ていただいて、休戦だと、早くけんかができるような状況にしなければいけないというような、本当のような冗談みたいな話もしていただきました。  私は、国においては、これもう政党政治でありますので、それぞれの立場があって、それぞれの党の主張をされるというのは、これは当然のことだろうというふうに思いますが、しかし一番市民、住民に身近な政治というのは、やはり基礎自治体にある市町村の議会であろうと。そこに所属する議員の皆様のいわゆる政治家としての考え方というのは、非常に大事なのだろうというふうに思います。何か派閥とかグループみたいなところだけで動こうとすると、必ずそこには何か大きな弊害が出てくるわけでありまして、我々当局としても、例えば我々が出す議案についても、何も私の意向で出しているわけではなくて、やはりそれぞれの部署において、住民の皆さんからの様々な御要望があったりする中で、こういうことをしたらどうだろうということで出させていただいているものがほとんどということであります。  いずれ皆さんそれぞれ政治家ということでありますので、御主張は御主張として承りますけれども、基本的なところは政治というのは何かを求められているのだということをお互いに研さんしながらまちづくりを進めていくこと、非常に大事だというふうに思いますので、今後ともそういうスタンスで、是々非々というところでやっていただければと思いますし、私自身も自分が信じた道について皆様方にお話をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(福田利喜君) 以上で16番、伊藤明彦君の一般質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) この際、暫時休憩いたします。休憩時間は10分程度といたします。    午前10時59分 休   憩    午前11時06分 再   開 ○議長(福田利喜君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を継続いたします。  15番、及川修一君。     (15番 及川修一君登壇) ◆15番(及川修一君) 通告に従い一般質問を行います。  10年ぶりの本会議場での質問を想定して原稿を書いていますと、様々なことが脳裏をよぎりました。優しかった2人の同僚議員のこと、お世話になった議会事務局長と局長補佐のこと、太鼓フェスティバルや花火で一緒に汗を流した何人もの若い職員のことなどが次々浮かんでまいりました。改めて震災で亡くなられた皆様の御冥福をお祈りいたします。  市民の住宅再建や市街地の整備を優先し、最後に建設するとしていた市役所新庁舎が完成し、先月6日から業務が開始されています。7階建ての庁舎は贅沢だなどの声もありましたが、新庁舎を訪れた市民の多くは、思ったより小さいねという感想を持つようです。陸前高田市には、お似合いの市役所だと感じます。  それでは、その市役所庁舎についてから伺います。初めの質問は、大変な思いをされながら完成にこぎ着けた新庁舎での業務開始への思いについてです。仮設の1号棟が完成して、プレハブでの慌ただしい業務が始まったのがちょうど10年前でした。私は、議員として中学校の教室を借りての本会議、公園や災害対策車両での議会活動なども経験しましたが、プレハブの議場が完成したとき、何かほっとした気持ちになったことを覚えています。10年前の出来事が、つい先日のことのように感じます。  私でさえ様々なことが込み上げてきますが、市長はどのような思いを持っているのか、まずお聞かせください。  2つ目に、新庁舎の建設位置の決定の考え方と決め手は何だったのかについてでありますが、位置の決定については、我々議員の関わりと責任が大きかったと思っています。私は、一貫してこの場所に市役所を建設すべきだと主張してきましたが、当時の条件の中では最善の選択だったと今でも思っています。ただ、津波で行政機能が失われたこと、そして何より職員111名の貴い命が奪われたことへの反省を思うとき、できるだけ高台に建設してほしいとの声があったのも無理からぬことですし、その声を大切にする複数の同僚議員がいたことも理解できます。  一方で、高齢者や商業者を中心に、できるだけ市街地に近いところへ建設してほしいという声が相当多くあったのも事実でした。先日老人クラブなどで活躍された大先輩が亡くなられましたが、その方は新庁舎は高齢者のため、商業者のためにぜひ小学校跡地にと、私のような者にも何度も話されました。つい先日のことですが、会議で御一緒したとき、あそこに建設されてよかったね。でも、市民文化会館と場所を取り替えられればもっとよかったのになと笑顔で話されましたが、市役所の再建を見届けるように逝ってしまわれました。  多くの思いや御意見があった市役所新庁舎の位置決定の考え方、その決め手は何だったのか、お答えください。  3つ目に、新庁舎建設に当たり、国や県からは何が求められていたのかについてです。私は、2015年9月から4年間、復興対策特別委員会委員長として市役所位置の決定などに深く関わりました。そして、伊藤前議長と一緒に、時には代理で副大臣などと席を共にすることが幾度かありましたが、どの方も市長、議長に復興期間内の庁舎建設を強く求めていたことを記憶しています。建設に当たっての予算、面積、期間など、制約の多い事業だったわけですが、市長以下当局には、国、県からはどのような求めがあったのでしょうか、改めて伺います。  4つ目に、新庁舎建設の過程で、市民から多様な意見や要望があったと思うが、どのように対応したのかであります。先ほど触れた市役所建設位置について、様々な要望があったことは御案内のとおりですが、位置選定のためのアンケート調査を行ったことを覚えています。また、市長は、市役所の在り方について、一部の声の大きい方の意見ばかりではなく、各方面、各層からの思いを聞きたいという考えを示されていたようでしたが、市民からの声はどのようなものであったのか、それにはどのように応じられたのか伺います。  5つ目に、新庁舎建設に当たり、事務用品などの寄附もあったと聞くが、どのような内容なのかについてです。新しいまちをつくろうとする復興事業には、国内外からの注目度も高く、それに共感する方々から、ありがたい御支援をいただいてきました。市役所庁舎の建設にあっても、大手事務機メーカーからの寄附もあったと聞きますが、どのような内容だったのでしょうか。それは、新庁舎にどのように生かされているのか気になるところです。メーカーからの寄附のことなどを知らないでいる市民も少なくないようですので、改めてその内容についてお示しください。  次に、公共施設等整備基金について伺います。1つ目は、公共施設等整備基金の中身についてであります。復興事業の完遂が近づくにつれて、公共施設の維持管理について心配される方も少なくありません。収束しないコロナ禍、社会情勢への不安、人口減少などの中で、整備された真新しい公共施設を目の当たりにして、そのような思いを持つことも理解できますが、これらの施設はあくまで震災前の大きさで再建されたものです。そして、震災当時の公共施設の多くは、老朽化が進んでいて、建て替え時期が近いものも幾つかありましたが、市の支出がほとんどなく、復興財源で新築されました。  しかし、複数の施設が一度に新しくなったということは、将来同じ時期に改修や建て替えの時期を迎えることを意味しますので、それに備えた維持管理を怠りなくすることが求められます。当局の考えは、大きな改修などを少なくするため、定期的に補修をして施設の長寿命化を図ろうとする予防保全というものだそうですが、そのための財源の一つとして、公共施設等整備基金があるのだと思います。  公共施設等整備基金は、共済会からの多額の見舞金が原資になっているようですが、これまでの使途など、その内容はどのようなものか伺います。  2つ目は、資金を使うタイミングについてです。復興事業で整備された公共施設は、維持管理経費削減のためにも長寿命化改修へのシフトを図っていくことが求められることについては申し上げたとおりですが、私はそのための公共施設等整備基金の支出時期が肝であると考えます。痛みが大きくなる前に、その都度手を入れていくことを考えると、再建された公共施設は新築でありますので、いつ頃、どのような補修や改修が必要という計画が立てやすいのではないかと思います。公共施設等整備基金の支出の時期について、どのような考えを持っているのか答弁いただきます。  最後に、市長が標榜する優しさと笑顔のまちの実践について伺います。1つ目に、陸前高田市地域交付金制度の成果と課題について、どのように認識しているのかについてであります。地域交付金制度は、これまで手の届きにくかった地域の課題解決に役立ててほしいとの思いで創設された事業だと認識します。復興事業の陰で我慢をされた横田、生出、二又などの地区に対する配慮が強く感じられます。そして、コミュニティ単位に500万円を交付することで、地域でしか分からない、これまで手がつけられなかった課題も解決されているようです。今のところ交付金制度も認知され、有効に活用されているようにお聞きしますが、その成果と課題についてはどのように捉えているのでしょうか、お答えください。  2つ目の質問は、高齢者世帯を対象とした配食サービス事業について、どのように評価しているのか、また今後の進め方の考えはどうかについてです。昨年度から、高齢者に対して配食サービスを実施していますが、利用者からはおおむね好評のようです。この事業は、飲食店支援と独居高齢者の見守りも兼ねているのですが、サービス利用者の中には市営住宅などで寂しさを訴える方も多く、食事のおいしさに加えて、配食に来られる方に会えることを楽しみにしているお年寄りもあるようです。コロナ対策として始めたこの事業は、利用者からは歓迎の声が強いこともあり、これまで延長しているのですが、どのような評価をされているのでしょう、また今後はどのように進めていこうとしているのか、答弁をいただきます。  3つ目に、障がいのある方の活躍の場について、どのような考えでいるのか伺います。本市のノーマライゼーションという言葉のいらないまちの実践は、国内外から認知され、SDGs未来都市にも選定されました。私は、市長の日の当たらないところへ日を当てたいとの考えに共感を覚えます。私は、そのような思いから、障がいを持つ方の雇用の場の確保になればと、広田町に誘致されたアオノリの陸上養殖とあすなろホームの橋渡しをさせていただきました。あすなろホームの皆様は、毎日精いっぱい働いておられます。お給料は、健常者と変わらないものであり、会社からもホームからも感謝の声をいただきます。障がいのある方には、これまでもふるさと納税の返礼品梱包などでも活躍していただいていますが、そのような場の確保についてどのように考えているのか、お答えください。  最後に、優しさと笑顔のまちを継続するための財源確保の見通しについて質問します。先日私も高齢者の仲間入りをしました。昔を振り返ると、奉仕団体などに籍を置き、その奉仕の何たるかも分からず、遠く高いところばかりを見ていたような気がします。そのときには、社会的弱者のことなど、ほとんど考えていませんでした。見えないところで苦労をされている方へ心を配ることは、我々議員も心がけなければならないことと今になって感じています。では、そんな議員は、住民からは何が望まれているのかを考えると、住民の声なき声を吸い上げて、小さなその思いを遂げてもらいたいと願っているように感じます。  そこで、市長がうたう優しさと笑顔のまちの実践が大切だと思います。学歴、生活形態、社会的スキルの有無で不利益を受けることはあってはならないことです。震災で多くを失った市民の心の復興のためにも、優しさと笑顔のまちの事業をぜひ続けてほしいのですが、そのためには財源の確保が求められます。これまでは、ふるさと納税や過疎債などが充てられてきましたが、大切な市民の笑顔のための事業継続に要する財源の見通しについて答弁を求め、この場の質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。    (市長 戸羽太君登壇) ◎市長(戸羽太君) 及川修一議員御質問の市役所新庁舎につきましてお答えをいたします。  初めに、新庁舎での業務開始の思いについてであります。平成23年3月に東日本大震災が発生し、その年の5月からプレハブ仮庁舎での業務が開始されて以来10年の歳月が流れました。  震災直後から、復興事業の中で市役所の再建は一番最後にという思いではありましたが、予定どおりに復興・創生期間、震災から10年で新庁舎が完成し、本年5月6日に新しい庁舎での業務がスタートできたことに安堵しているところであり、これでやっと本当の意味での復興まちづくりのスタートが切れると思っているところであります。  今後におきましては、震災で犠牲となられた多くの方々、また111名の職員の皆さんの思いを大切にしながら、市民の皆様から愛される、敷居の低い市役所を目指してまいりたいと考えているところであります。  次に、市役所位置決定の考え方と決め手は何だったのかについてであります。市役所の位置を決定するに当たっては、市民、産業団体、議会など、多くの皆様から様々な御意見が出されたところであります。決定に当たっては、安全性、コスト、建設に要する期間、今後のまちづくりにおける市役所の役割など、様々な点について議論を重ねてきたところであります。  決め手についてでありますが、私の中では幾つもの要素が重なり合っていたものであり、これだというものをお示しすることはできませんが、商工業関係の重鎮の方から、商業者を見捨てないでほしいとつぶやくように言われたことは心に残っているところでございます。  次に、国や県から何を求められていたのかについてであります。東日本大震災で被災した庁舎の復旧につきましては、原形復旧相当部分は震災復興特別交付税、原形復旧相当部分を超える部分については被災施設復旧関連事業債を活用することができるなど、手厚い措置がなされているところであります。ただし、一方では、国の定めた復興・創生期間である震災から10年以内に完成をさせることが強く求められてきたところであります。  平成29年3月議会に市役所位置について提案をさせていただきましたが、残念ながら議員の皆様の3分の2以上の賛同を得ることができず、否決となりました。その後、議論を重ね、平成29年6月議会に再度同議案を提出させていただいたわけでありますが、6月議会開会日の前日に、当時の復興副大臣であった橘慶一郎氏がわざわざ当市を訪れ、当時の高田小学校を視察され、同行していた伊藤明彦議長に対し、議長さん、何とかあしたで決まるようによろしくお願いしますと話されたことをよく覚えております。それくらい政府も復興・創生期間内での復興完了に強い決意を持っておられたのだろうと認識をしたところであります。  次に、市民からの多様な意見要望に対する対応についてであります。市役所の建設位置選定に当たっては、平成28年11月に建設位置の候補について3か所4案を提案させていただき、その後様々な団体や多くの市民の皆様との意見交換会を28か所で開催し、延べ900人を超える方々から直接意見を伺ったところであります。  その際には、建設位置に加え、構造や規模、階数などについても市民の皆様にお示しをさせていただきながら、また議員の皆様とも様々な機会を捉え議論を交わさせていただいたところであります。  建設位置の候補である3か所4案に対しまして、それぞれメリット、デメリット等から賛否両論の御意見をいただいたところであり、いただいたデメリットを最小限に抑えるよう努めてきたところであります。  一例を申し上げれば、市役所新庁舎が建設された高田小学校跡地は、東日本大震災の際に一部が津波浸水した敷地であり、このことを不安に思う市民の方々が少なからずいらしたことは承知をしているところであり、その不安を解消するためさらに5メートルの盛土工事を行い、T.P.17メートルの高さに整備した土地に新庁舎整備を行ったところであります。  また、基本設計終了時点において、基本設計の内容を市民の皆様にお知らせするとともに、庁舎のイメージをつかみやすくするため、庁舎の模型をコミュニティホールに展示し、新庁舎整備に関する情報の提供に努めてきたところであります。  加えて、パブリックコメントを実施し、広く市民の皆様から御意見、御要望を伺うとともに、寄せられた内容の検討を行い、実現可能性の高い御意見につきましては実施設計に反映させた上で工事を進めてきたところであります。  開庁後におきましても、利用してみて分かる不具合などもあると思われることから、引き続き市民の皆様からの御意見、御要望にも丁寧に耳を傾けながら、利便性向上のため改善できる内容につきましては見直しを図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、庁舎建設に当たって、いただいた寄附の内容についてであります。新庁舎の整備に当たりましては、オフィス家具、事務文具用品の製造販売やオフィス環境のデザイン、施工を手がけ東京都に本社を置くプラス株式会社様から、寄附の申出をいただいたところであります。  具体的な寄附申出の内容についてでありますが、主に1階を中心とした事務机や椅子等の事務用備品の提供であり、加えて庁内の各備品等のレイアウトに関する助言をいただいたところであります。特にも誰もが気軽に訪れ集うことができる場として整備を目指した1階市民交流スペースや7階展望ロビーの什器配置に関しましても助言をいただきながら整備を行い、震災以前の庁舎にはなかった空間整備にも御尽力をいただいたところであります。  事務用備品の購入に関しましては、公共施設等整備基金を活用して整備を行ったところであり、そのような中において多くの事務用備品を御寄贈いただきましたことに関しましては、衷心より感謝をしている次第であり、新庁舎の竣工に当たり、気仙スギを用いて作成した感謝状を贈呈させていただき、感謝の意を表しているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。なお、その他の御質問につきましては、副市長以下担当部長から答弁をさせていただきますので、御了承願います。 ◎副市長(舟波昭一君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 副市長。    (副市長 舟波昭一君登壇) ◎副市長(舟波昭一君) 優しさと笑顔のまちの実践につきまして、命により副市長からお答えいたします。  初めに、地域交付金制度の成果と課題についてであります。地域交付金制度につきましては、令和元年8月に創設し、本年で3年目となりました。この間、各地区コミュニティ推進協議会におきましては、それぞれの地域の課題解決に積極的に活用いただいており、令和2年度は105事業、約5,470万円で、執行率99.5%の実績となったところであります。  これまでに実施した主な事業内容でありますが、ハード事業としては、自治会館へのスロープの整備やカーブミラー、休憩用ベンチの設置など、またソフト事業としては、地域のPRパンフレットの作成や震災記録誌の発行、地域主体の移動サービスの運行支援など、地域ごとに幅広く御活用いただいているところであり、地域課題の解決や地域コミュニティの形成に大いに成果を上げているものと認識しているところであります。  また、本制度は、活用の自由度が高いことから、道路の側溝整備など、生活上における不便さの解消等、地域の実情に即したきめ細やかな対応につながっており、各地区のコミュニティ推進協議会からも、これまでは市に要望し対応を待つという仕組みだったものが、地域交付金のおかげでより迅速な解決につながっているとの声も伺っております。  一方、課題でありますが、各地区からは特に挙げられていない状況でありますが、現在コロナ禍の影響により、各種事業等の開催やそのための相談さえできない状況にあることが挙げられます。このことについては、現状ではやむを得ないことでもありますが、今後ワクチン接種によるコロナ禍の収束を見据え、その後においてはこれまでどおり地域課題の解決や地域コミュニティの形成に寄与する事業の積極的な実施に期待するところであります。  次に、高齢者を対象とした配食サービス事業の評価と今後の進め方についてであります。本市におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で高齢者が外出する機会が減っており、健康状態等の把握と孤立化の防止を目的として、夕食を週に1度配る見守り事業に昨年度から取り組んでいるところであります。  今年度におきましては、利用者から寄せられた好評の声と対象を拡大してほしいとの要望を踏まえ、70歳以上の住民税非課税の独り暮らし世帯に限定していた対象を70歳以上の高齢者のみで構成された世帯まで拡大するとともに、配達費を含めた全額を支払えば一般の方でも利用できるように見直しをしたところであります。  配食サービスにつきましては、4月から受付を開始し、257人もの申込みがあり、6月7日から夕食の配達を開始したところであります。  また、本事業は、高齢者世帯の見守りと同時に、経済的な打撃を受けている飲食事業者等の支援も目的の一つとしておりますが、コロナ禍で大変な思いをしている高齢者や飲食事業者等を勇気づけるとともに、食を通じた地域活性化にも寄与するものであり、大変意義のある取組と認識しているところであります。  今後の進め方でありますが、今年度は年間を通して取り組むこととしており、その後につきましては利用者等の声を伺いながら、令和4年度以降の事業継続について検討してまいりたいと考えているところであります。  次に、障がいのある方の活躍の場についてであります。現在障がいのある方が活躍している場といたしましては、就労面におきましてはノリの陸上養殖や社会福祉法人で運営しているイチゴ農園、ふるさと納税の返礼品発送の作業、まちの縁側でのカフェ営業、またコロナ禍の中で新たに生じた業務として、市営住宅の供用部分の消毒作業などが挙げられます。  また、今泉北地区や高田地区のかさ上げ地におきましては、民間事業者による農業テーマパーク及びレッドカーペットプロジェクトなどの事業が展開されているところでありますが、生産から加工、販売までを一体的に行う六次産業化の取組が進められており、そうした分野におきましても障がいのある方の新たな活躍の場の創出の機運が高まっているところであります。  また、文化面におきましては、気仙地区2市1町で毎年秋頃に障がい者作品展を共同開催しており、障がいのある方の作品を展示して、多くの方々の目に触れるような機会を設けているとともに、新庁舎建設の際には、工事現場の仮囲いを障がいのある方の作品展示スペースにする取組が民間会社の協力で行われたところであります。  さらに、今後東京オリンピックパラリンピックホストタウン事業として、シンガポールと本市の障がいのある方々のアート交流を行う事業の準備が進められているところであります。  このように、就労や文化活動などの発表の機会を通じて社会参加を進めることが生きがいを持つことにもつながり、さらに生き生きとした生活を送るためのきっかけになるものと認識しており、ノーマライゼーションという言葉のいらないまちの実現を目指している本市にとって、障がいのある方もない方もお互いを理解し合い、生き生きと活動できる場をつくることが大変重要であると考えているところであります。  コロナ禍の現状で通常の活動に制限がかかることも考えられますが、今後とも障がいのある方もない方も、一緒に社会参加できる場を創出できるよう、関係団体等とも連携を強化してまいりたいと考えているところであります。  次に、事業継続に伴う財源確保についてであります。地域交付金事業につきましては、過疎債を主な財源としており、対象とならない事業につきましては陸前高田市がんばっぺし応援基金を財源としているところであります。  この財源確保のために、今年度策定予定の陸前高田市過疎地域持続的発展計画に地域交付金事業について引き続き掲載することとしており、来年度以降についても市の負担を極力抑えながら、さらに各地域において大きな成果を上げているこの事業を継続できるよう努めてまいりたいと考えているところであります。  また、配食サービス事業につきましては、企業版ふるさと納税を主な財源として実施しているところでありますが、今後におきましてもコロナ禍での事業実績を紹介し、高齢者支援や地域経済の循環など、本事業が果たす役割についても周知を図りながら、財源の確保に努めてまいりたいと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。 ◎総務部長(戸羽良一君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 総務部長。    (総務部長 戸羽良一君登壇) ◎総務部長(戸羽良一君) 公共施設等整備基金につきまして、命により総務部長からお答えいたします。  初めに、公共施設等整備基金の内容についてであります。公共施設等整備基金は、平成24年度に公共施設等の整備に要する経費の財源として活用するため、陸前高田市公共施設等整備基金条例を制定し、創設された基金であります。  基金が創設された経緯といたしましては、東日本大震災の津波により多くの公共施設が被災、流失したことに伴い、平成22年度時点において市が加入しておりました全国市有物件災害共済会から災害共済金に代わる地震災害見舞金として13億5,000万円の交付を受けたことから、この見舞金を基金造成の原資としたところであります。  この全国市有物件災害共済会からの地震災害見舞金につきましては、基金造成前の平成23年度に入金となったことから、一旦財政調整基金に積立てを行いましたが、平成24年度において同基金を創設し、積替えを行ったものであります。  また、平成24年度から平成26年度にかけてコミュニティホールの整備費としてシンガポールから総額7億円の寄附をいただいたところであり、同基金へ積立てを行っております。  同基金の活用実績としましては、平成24年度から平成26年度の3年間で総額7億円をコミュニティホール整備へ、また平成28年度に約900万円を高田保育所整備へ充当してきたところであります。  最近では、令和元年度に約7,600万円を高田小学校整備に充当し、本年度におきましては市役所庁舎の備品購入費等として2億2,600万円を充当する見込みとしているところであり、このことに伴い本年度末の基金残高は約10億5,000万円となる見込みであります。  次に、公共施設等整備基金の支出のタイミングについてであります。本市では、平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定し、長期的な視点により更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減及び平準化を行うこととしております。  また、令和2年度においては、本総合管理計画に基づき、各公共施設のより具体的な改修等を実施する計画として、公共施設個別施設計画を策定したところであります。  東日本大震災に係る公共施設の整備につきましては、本年度においておおむね完了する見込みとなっているところであり、今後におきましては新たな施設の整備ではなく、既存施設に係る20年ごとに実施する大規模改修や40年ごとに実施する長寿命化改修などの対応が中心になっていくことが予想されることから、個別施設計画に基づく改修等の事業実施を計画的に行っていく必要があると考えているところであります。  公共施設の長寿命化改修等の実施に当たりましては、多額の予算が必要になるものと認識しているところであり、全ての公共施設に係る大規模改修工事などを公共施設等整備基金のみで賄うことは難しいと考えておりますので、毎年度の決算剰余金を勘案した上で、公共施設等整備基金への積立ての実施や国庫支出金などの他の財源の確保、有利な起債である過疎債の借入れ及び財政調整基金などの他の基金の活用が必要になってくるものと考えているところであります。  公共施設等整備基金の支出のタイミングにつきましては、個別施設計画に基づく大規模改修等の実施時期となることから、一定程度は中長期的な活用の予測が可能となるものと考えているところであり、持続的な財源確保と併せて総合的に検討してまいりたいと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。 ◆15番(及川修一君) 議長。15番、及川修一。 ○議長(福田利喜君) 及川修一君。 ◆15番(及川修一君) それでは、再質問をさせていただきます。  先日新聞紙上で、箱物という表現で今後の維持管理についての不安の声がいっぱい載っていたのを拝見いたしました。その中に、何もしないでいると将来400億もかかりますよと。それを長寿命化を図っていくと二百五十何億でしたか、そういう数字になるというような、そういう報道がありましたが、そのことへのちょっと見解をまずお聞きしたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 財政課長。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 財政課長よりお答えいたします。  過日の新聞の記事につきましては、私も拝見をさせていただき、公共施設が過大だったのではないかみたいな書きぶりの内容だとは承知しているところでございます。ただ、本市におきましては、先ほど一般質問の御答弁の中でも申し上げましたが、基本的には原形復旧ということで、震災前にあった公共施設を再建しているという現状がございます。ですので、震災により再建しなかった場合においても、これらの施設の老朽化というのは進んでいたという現状がございますので、それに伴う維持管理費でありますとか補修等の改修費は、一定程度発生するだろうと考えているところでございます。  また、維持管理を懸念される市民の方の声というのは理解されるところでもございますが、今現状としましては、先ほど御答弁させていただきましたとおり、公共施設等整備基金の残高が10億程度であります。さらに申し上げますと、災害公営住宅、市営住宅の管理基金としまして、市営住宅基金というのを昨年度創設させていただきまして、そちらの残高も今年度末見込みで約10億程度あるというところもございますので、それらの財源をしっかり活用することによって、公共施設は適正に維持できていくものと判断しておりますし、これらの施設を使って利活用を図りながら、本市の活性化につなげていければと認識しているところでございます。 ◆15番(及川修一君) 議長。15番、及川修一。 ○議長(福田利喜君) 及川修一君。 ◆15番(及川修一君) 本当に新しいものをぽんぽん、ぽんぽん見ますと、心配になるということは理解できるのですが、ただあのままもし、例えば庁舎にしても、それから様々野球場もそうでしたが、造り直している最中でありましたが、体育館、その他いろいろあったわけですが、すごい犠牲の上に、この市役所もそうですが、新しくさせていただいたものですから、これを大事に、どのように使っていくかということが肝なのだろうなと私は思っています。  それで、財源のお話をすれば、結構な金額はあるものの、この公共施設等整備基金だけでは、それこそ長寿命化は図っていけるというものではないと思います。ただ、いろんな復興需要とか、この10年過ぎて、そうすると市に国から来るお金も減るのだろうと。そうすると、大変な思いになるのではないか、状態になるのではないかというような話をする中で、令和2年度というのは結構国から来るお金も限られて、相当減っていました。その状態でも何か黒字で推移しそうな、そんなふうに見えるわけであります。そこで出た黒字部分というのは、決算剰余金というのは、半分は財調のほうに行くということになるのでしょうけれども、それをそれぞれの基金に積み増していくのだろうと思うのですが、その辺の考え方についてお伺いいたします。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 財政課長。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 財政課長よりお答えいたします。  まさに議員御指摘のとおりでございます。今令和2年度の決算、調整中でございますが、決算剰余金といたしまして約8億弱を見込んでいるところでございます。その半分の約4億程度が財政調整基金のルール分として積立てになりますので、残りの4億円が、全額公共施設等整備基金に行けるかというところは検討の余地はございますが、その4億のうち可能な限り後年の改修等の財源とするべく、公共施設等の整備基金にも積立てを行っていきたいと考えているところでございます。 ◆15番(及川修一君) 議長。15番、及川修一。 ○議長(福田利喜君) 及川修一君。 ◆15番(及川修一君) 私は、やはり今財政状況というのは、決して県内でも、周りを見ても悪いものではないということは明らかだと思っています。ただ、こうなったのには、戸羽市長ばかりではなくて、その前の市長の中里さんからのいろいろな努力があってこうなっているのではないかなというふうに私は思うのです。私は、中里市長には逆らってばかりいましたけれども、何か今考えると、そういうことなのではないかなということを何となく、震災で見えない部分ですが、そんなことを思ったりしています。  そして、先ほどから私が公共施設等整備基金に関わっていろいろ質問させていただいておりますけれども、箱物と呼ばれて、公共施設が何か負の遺産のような捉え方ばかりする報道や、そういう物言いが感じられて、私はどんな小さなまちにも役場もあれば野球場もあれば文化会館のようなものは必ずあるわけで、ただその先にどのぐらいの人口になるかというところを見据えるということは、あの時点で私非常に難しかっただろうと思うこともありますけれども、いずれこれをどのように使っていって我々がこのまちを震災から、本当に犠牲になった人たちがいっぱいいるわけですから、その上に立つこのまちを本当に立派なまちにしていくためには、これをいかに使っていくかということに議論をしたいなと、そのように思うのですが、市長のその辺の所感をお聞かせいただきます。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 議員がおっしゃるとおりで、今回この公共施設を維持していくのに何百億かかるとか、そういう話がされているわけですが、陸前高田市だけがかかるわけではなくて、どこの自治体も同じようにかかるわけです。これは、公共施設と呼ばれるものは、箱物だけではなくて、道路にせよ、橋梁にせよ、皆さんがふだん公共的に使われているもの全て今後駄目になっていく、壊れていく、劣化していくわけですから、それをキープしていくのであれば、これぐらいお金がかかりますよというものを積み上げていけば、それは何百億というお金になるというのは、これは陸前高田市のみならず、どこの村でも、町でも、市でも同じだというふうに思っています。  その中で、今議員言っていただいたように、私は物の考え方というのは2種類に大きく分かれてしまっているなというのが今の私の受け止めなのです。要は、何にもしなければお金かからないよね、だから何もしないほうがいいよねという方もいる。一方で、やっぱり攻めるところ、攻めるという言葉が適切かどうか分かりませんけれども、施設を造ることによって、確かに維持管理はかかりますけれども、そこに人に来てもらう、そこで経済波及効果をつくり出していくことによってまちを持続させていきましょうと。何かここが両極端に議論がされてしまわれているなと思うのです。  例えば野球場一つ取っても、一つには市民の人たち、特に子どもたち、本当に楽しそうに野球やっています。佐々木朗希君が今活躍をしていますから、僕も将来プロ野球選手になれるかもしれない、そんな思いを持って、夢を持ってやってくれています。その風景を見るだけでも、市民の皆さん元気になってくると思います。  もう一方で、同じ野球場でも、来年は例えばマスターズの大会が陸前高田市で開かれる、外からたくさんの方々が来てくれる、そこに宿泊が伴えば、お土産買っていただければ、食事していただければ、そこは維持管理費とは違う意味でお金というのは陸前高田市内に落ちていくわけです。  ですから、まさに私は、今言ったように、やはり必要だと思うものは、借金してまでとは言いませんけれども、基本的には造れるのであれば造ったほうがいいし、やはりそれをどう利用していくか、市民の皆さんにどう使っていただくか、あるいは経済効果にどう発揮していくかということにこういう議会の場で議論させていただきたいなというのが私の考えでございます。 ◆15番(及川修一君) 議長。15番、及川修一。 ○議長(福田利喜君) 及川修一君。 ◆15番(及川修一君) 私もそのようでありたいなと思いますし、あってほしいなというふうに思っています。ちょっと小耳に挟んだ例を申し上げますと、来年でしょうか、何か野球の大会の大きな大会が予定されておったそうです。これは、近隣の自治体の野球場が主会場で本当はあったそうです。ところが、本市の野球場を見たら、いや、こっちのほうがということで、ここが主会場になってしまったそうです。要は、こういうふうなものができたその成果として、そういったところに皆さん知らないところで様々できていると思います。本当に先ほど道の駅などに、伝承館などにという、道の駅には間もなく100万人というような、もしコロナ禍でなかったら、本当にすごい数だったのだろうと思っていますので、これからこれを生かした市政運営というのを市長にもやっていただきたいと思っています。  時間も押していますので、市役所のことで、市民からの思いについて、聞きながら直せるところは直していきたいという答弁でありましたけれども、その中で今何か私に聞こえてくるのは、市役所にキャッシュディスペンサー、CD機とか、それから売店が欲しいなというようなことがちょこっと聞こえてくるのですが、その辺の見通しについてはいかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎財政課主幹(菅野優君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 財政課主幹。
    ◎財政課主幹(菅野優君) 財政課主幹からお答えいたします。  ATM、それから売店の設置の状況ということでございますけれども、まず売店についてでございますけれども、1階に、震災以前の館の沖庁舎にもございました売店用スペースを確保しておりまして、民間事業者を含めて様々御相談をさせていただいている中にありまして、ちょうど6月から、時間はちょっと限られますけれども、昼時間を中心に売店業務を開始していただいているところでございます。  それから、ATMにつきましては、建設以前から金融機関等にはお願いはしてきた経緯がございます。なかなかそれぞれの企業の事情もあるかとは思いますが、現時点において実現するというような、設置していただけるというようなお答えはいただいてはいないところでございますけれども、引き続き設置についてお願いしているというような状況でございます。 ◆15番(及川修一君) 議長。15番、及川修一。 ○議長(福田利喜君) 及川修一君。 ◆15番(及川修一君) できるだけ、やはり市民の思いに応えていっていただきたいと思っています。優しさと笑顔のまちというのは、市の事業ではないのですが、市長が思っている、そういうことに応えて、そういう事業が陸前高田では、何点か私も先ほど三つ、四つ挙げさせていただきましたが、本当に私最近思うのは、障がいを持つ方が市内歩かれているというか、堂々と歩かれている。前には、私あまり感じなかったのです。それは、やはりそういったところに意を用いてきた成果ではないかと思っています。  先日ですが、道の駅の祈念公園のところに、草取りをしているおばあちゃんたちがいて、そこに市長に似た人が来たのさと。そして、何かしたと語っていったでばと、何かいろいろ聞いていったってばと言ったのが、後に市長に聞いたら、それは私ですというのです。そこに市長が、あれ市長だったのだってとその方にお知らせしたら、ばあっと言っていましたが、すごく喜んでいました。私は、心の通うこういう庁舎が建ちましたので、そういう市政を行っていただきたい。市長も、俺市長だからというような話ではなくて、そう言っていただいたこと、そういう姿勢をもっと貫いていただきたいし、もし外に出なくてよくなったのであれば、もう少しそういったところをやっぱり我々のところにも、コロナ収まったらば、そういったところに足を運んでいただきたいし、これは市の職員の方々にもそうです。さっきも、窓口に来たら、何とこんな対応されてさというおばちゃんがいました。おばちゃんというのすみません、女性の方がおられました。だから、そういうことをできるだけなくしていって、そして市民の思いを、先ほど私申し上げたとおり、議員もそうしなくてはなりませんが、市の職員の方々にも、小さいですけれども、こんな立派な建物ができましたので、ここを拠点として頑張っていただきたいと思いますが、最後に市長にその所感をお伺いして、私はこれで質問は終わります。どうぞ。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 私は、これまでノーマライゼーションという言葉のいらないまちをつくりたいということをずっと言ってきたわけですが、それは障がい者の方に限らず、例えば陸前高田市においては、高齢化率というのはもう40%になるということであります。人口も、残念ながら震災等もあって大きく減ってしまった。その中で、このまちを維持していくためにも、何も障がい者の人のためとかおじいちゃん、おばあちゃんのためというだけではなくて、市全体を維持していくためにも、皆さんにそれぞれの立場で、できることで活躍をしていただきたいというのが私の考え方であります。  先ほどの御答弁でも申し上げましたけれども、いずれ企業の皆さんも、このノーマライゼーションという言葉のいらないまちということをすごく意識をしてくださって、こちらからお願いをしなくても、おじいちゃん、おばあちゃん、あるいは障がいがある方々に頑張っていただける、そういう場所にしたいのだ、会社にしたいのだと自ら言ってくださる方が増えてきたということが非常に頼もしいなと思います。  一方で、やはり市役所が大きく変わっていかなければいけないというのは、そのとおりであります。私もコロナの前は、市長と語る会ということで、障がい者の皆さん、いろんな人たちともお話をしてきました。目の不自由な方々とも毎年毎年お話も重ねてきました。少しずつ御要望も聞かせていただいて、具現化してきたところでありますが、今なかなか直接出向いてお話をするという機会がなくなってしまって残念なわけでありますが、やはり市政というのは、何だかんだ言ったって市民のためでなければいけない。市役所というのは、職員にとっては職場でもありますけれども、そこの機能というのはやはり市民のためでなければいけない。ここをもう一度徹底をしなければいけないなと。  やはり私のところにも、何なのだあの職員はというようなお叱りもたまにはあるわけであります。ただ、私は、その人たちを叱るわけではなくて、やはりいろんな気持ちの持ちようも様々あるのだろうというふうに思いますが、いずれ全体として、市役所も立派になりましたから、市役所というのは行きやすい場所だねと、あるいは市の職員というのは親切だねと、当たり前に皆さんが口に出していただけるような、そういう市役所を目指さなければいけないというふうに思っていますので、総務部長がこの後何かあれば答弁するかもしれませんが、私としては市民の皆さんの負託にしっかりと応えられる市役所づくりに邁進してまいりたいと、そのように思っております。 ○議長(福田利喜君) 以上で15番、及川修一君の一般質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) この際、午後1時30分まで休憩いたします。    午前11時59分 休   憩    午後 1時30分 再   開 ○議長(福田利喜君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を継続いたします。  10番、鵜浦昌也君。     (10番 鵜浦昌也君登壇) ◆10番(鵜浦昌也君) 令和3年第2回定例会に当たり、通告に基づき一般質問を行います。  内容は、大きく分けて3項目について伺います。その1項目めは、行財政運営についてであります。現下の行財政を取り巻く環境は、行政運営の簡素化や効率化が求められている一方で、地方分権や少子高齢化、情報化、国際化の進展といった社会情勢の変化、さらには複雑、多様化する市民ニーズに対応したスピード感ある行政施策の展開が必要となっています。  特にも昨年以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って経済が低迷し、税収が落ち込むなど、厳しい財政運営となっているにもかかわらず、国や自治体は感染症に対応した即効性、あるいは効果的な行財政運営の在り方を問われているところであります。  そのような中にあって、本市はこのほど一般会計予算について、令和3年度の当初予算を基に、向こう3年間の財政見通しを公表しました。これは、まちづくり総合計画に掲げた各種事業をはじめ、様々な財政指標を考慮しながらまとめたものと思いますが、当局は現段階で本市の財政状況をどのように捉えているのか、お聞きいたします。  また、東日本大震災からの復興関連事業の完了や近年の少子高齢化の進展に伴い、これからは一般会計予算における歳入の額が減少し、その不足分を基金で補うということが多くなることが予想されます。そこで、財源不足が生じた際などに利用できる財政調整基金など、主要な基金の残高状況はどうなっているのか、お聞かせください。  次に、新型コロナウイルス感染症に関連し、今後もしばらくの間は市民の生活に影響が及ぶものと思われます。中でも、懸念されるのは市内経済への影響であり、効果的で早急な対応が求められております。  そこで、一般会計予算の歳入のうち、市債の額をある程度増やしてでも市内の各種産業の振興を後押しし、市が年次計画で順次進めている基盤整備事業を前倒しするなど、市内経済の安定や雇用の確保につなげていくことが必要と思いますが、今後の予算編成の考え方について答弁を求めます。  さらに、令和2年度末で陸前高田市特定事業主行動計画の5年間にわたる計画期間が終了しました。この計画は、働く全ての人が仕事のほかに育児や介護、趣味や地域活動といった仕事以外の生活と調和を図り、その両方を充実させた働き方、生き方を目指そうというワーク・ライフ・バランスの考えを推進するため、国が全国の自治体に策定を義務づけたものであります。  本市では、平成28年3月に策定されましたが、当初設定した市職員の時間外勤務、係長級以上の女性職員の割合、年次休暇の取得日数といった数値目標について、その達成度はいかがだったでしょうか。  また、この3月で計画期間が終了したことから、今回第二次となる新たな計画を策定したようですが、これまで取り組んできた成果を今後の行政運営にどのように生かしていこうとしているのか伺います。  さらに、市民の様々な行政需要に対応していくためには、市政の現状を広く理解してもらうことが大切です。そのためには、行政の透明性が必要であり、情報の発信が重要です。その施策の一つとして、本市はインターネット上にホームページを開設していますが、令和2年度に市民に分かりやすく健全な行財政運営を図ることを狙いに、市公式ホームページのリニューアルを行いました。そこで、リニューアル後の様々な市政情報の検索のしやすさなどについて、市民あるいは市外利用者からの反応はどうか、お答えください。  また、昨年11月に河野太郎行政改革担当大臣が行政手続における認め印の押印を全廃すると記者会見で発表して以降、国の指導の下、全国の各自治体で行政手続における押印の廃止、いわゆる脱判この動きが進んでいるようですが、本市の取組状況と今後の見通しはどうなっているのか、答弁を求めます。  2項目めの質問は、教育行政についてであります。教育を取り巻く環境は、近年の少子化に伴う児童生徒数の減少をはじめ、昨年からは新型コロナウイルス感染症への対応など、課題が多くあります。中でも、コロナ禍における学校の休校やオンライン授業、GIGAスクール構想など、ここに来て子どもたちの学びの在り方が大きく変化しています。  そこで、教育長は、市内の教育行政全般の課題をどのように捉え、解決に向けどのように取り組もうと考えているのかお聞きします。  次に、教育現場も新型コロナウイルス感染症を契機として、大分ICT化が進んでいるようですが、市内の児童生徒のほか、指導する立場にある教職員の反応はいかがでしょうか。また、今後の課題をどのように捉えているのでしょうか。  次代を担う子どもたちの教育もさることながら、近年の高齢化に伴い、生きがい対策としての社会教育の推進や芸術文化活動が大切な時代を迎えていると思いますが、今後の具体的な施策展開をどのように考えているのか、答弁を求めます。  また、震災前は、市の中央公民館が中心となり、文化活動の一環として各種教室が開設されていました。コロナ禍の現在では、なかなか開設が難しいと思いますが、今後の考えはいかがでしょうか。  最後となる3項目めの質問は、有害鳥獣対策についてであります。この問題は、全国的なものであり、各自治体もなかなか苦慮しているのが実情です。特にツキノワグマの出没に関し、岩手県は5月19日、県内全域に注意報を発表しましたが、今月5月には八幡平市の山林でタケノコ取りをしていた男性が、また今月9日には花巻市の河川敷で釣りをしていた女性が襲われるなど、人身被害が発生しています。  本市でも、春以降に熊の目撃情報が寄せられるようになり、最も近いところでは12日の土曜日に矢作町の国道付近で目撃されたことが市の防災行政無線を通じて知らされたところであり、市民の安全を確保するためにも対策が必要となっています。そこで、本市の有害鳥獣による最近の農林作物への被害状況と被害金額の推移はどのようになっているのかお聞きします。  被害防止対策として、狩猟による捕獲のほか、農業者の電気柵設置に市が補助金を交付していますが、捕獲実績や補助金交付の状況はいかがでしょうか。  また、被害防止を図るためには、農林作物を荒らす動物の個体数や生息地域を把握することが必要と思います。そこで、カメラを登載し、遠隔操作や自動制御によって飛行させることができる無人航空機のドローンなどを使って上空から調査することも検討すべきかと思いますが、いかがでしょうか。  さらに、市民から熊などの出没情報が寄せられた際、ドローンで周辺を捜索するなどの対策を講じてはどうかと思いますが、市当局の考えをお聞かせください。  以上の内容について、簡潔明瞭な答弁を求め、この場での質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。    (市長 戸羽太君登壇) ◎市長(戸羽太君) 鵜浦昌也議員御質問の行財政運営につきましてお答えをいたします。  初めに、現段階での本市の財政状況についてであります。本市における今後の財政見通しにつきましては、本年4月の市議会全員協議会において、令和3年度から令和5年度までの3年間の見通しについて御説明をいたしたところであり、予算規模は大規模な投資的事業が完了することにより、今後徐々に縮小していくと見込んでいるところであります。  また、市税や地方交付税につきましては、人口減少等の要因により、長期的には減少する見込みであり、歳出と歳入の合計を単純に差し引いた場合、毎年度数億円程度の不足額が生じることから、財政調整基金の取崩しが必要であると試算したところであります。  しかしながら、実際の予算執行に当たっては、入札の結果発生した残金、いわゆる入札差金や徹底した経費節減を意識した効果的な予算執行に努めることにより、予算の残金が不用額となること及び積極的な歳入確保を行っていくこと等により、毎年度末における歳入歳出差引額のマイナスは財政見通しを作成する際に試算した金額まで大きくはならないものと見込んでいるところであります。  実際に令和元年度の当初予算におきましては、財源調整分としての財政調整基金からの繰入金を5億円として計上していたところでありますが、令和元年度決算時には歳入歳出差引額がプラスとなったことから、年度間の財源調整分とするための財政調整基金の取崩しは行わなかったところであります。  また、現在調整中であります令和2年度決算におきましても、歳入歳出差引額がプラスとなり、令和元年度と同様に財政調整基金の取崩しは行わなかったことから、基金残高を継続して一定程度保有できており、現在の本市の財政運営は比較的安定しているものと考えているところであります。  次に、主な基金の残高についてであります。本市におきましては、東日本大震災以降、復興事業の財源として充てるため、複数の基金を創設したほか、ふるさと納税を受け入れるための基金、旧吉田家住宅主屋復旧事業を推進するための基金など、必要に応じて特定の目的に沿った基金を創設してきたことにより、令和2年度末現在において30を超える基金を保有しているところであります。  そのうち年度間の財源調整を図り、災害時の財政需要に備えるための財政調整基金の残高につきましては、現在調整中の令和2年度末で約61億円となる見込みであります。  令和2年度末残高見込みの約61億円のうち、将来国に返還する分や土地区画整理事業への充当が決まっている分を除いた純粋な基金残高は約44億円となる見込みであり、当市の財政規模を鑑みれば十分な備え蓄えがあることから、不測の災害等が発生した場合においても市独自の施策を展開することが可能となるなど、迅速な対応ができるものと考えているところであります。  また、毎年度の市債の償還や適時の繰上償還の際に活用する市債管理基金については、令和元年度末で約44億円、令和2年度末で約31億円となる見込みであり、令和2年度に行った災害公営住宅に係る市債の繰上償還により、残高は減少したものの、一定の規模の残高は保っているものと認識しており、今後も各年度の決算において、決算剰余金が大きく発生した場合には市債管理基金への積立てを行うとともに、繰上償還の財源として活用していくこととしております。  その他、残高が大きい基金といたしましては、後年の公共施設の整備や改修等に活用する公共施設等整備基金があり、令和2年度末において約12億円の残高を保有していることから、一定程度の改修等には対応できるものと考えております。  今後におきましても、そのときの財政状況を鑑みながら、将来に備えるべきときには蓄える、積極的に事業推進を図るときには活用するといった判断を柔軟に行うとともに、復興関連基金など創設の目的を果たした基金については、適宜整理を行いながら適切な管理を行ってまいりたいと考えているところであります。  次に、各種産業の振興及び基盤整備事業の前倒しによる市内経済の安定、雇用の確保についてであります。東日本大震災以降、本市の復旧、復興事業の推進のため、非常に多くの公共事業を発注してきたところであり、その中でも市内事業者での対応が可能と判断される工事等については、原則市営建設工事等請負入札参加者指名格付基準に基づき、市内事業者での入札を行うなど、市内経済の安定、雇用の確保に意を用いた運用を行ってきたところであります。  第2期復興・創生期間となる令和3年度以降につきましては、工事発注の規模及び件数も大幅に減少する見込みであり、徐々に震災以前の規模へ近づいていくものと想定しているところであります。  公共事業には、インフラ整備による市民生活の向上という目的のほか、市内経済の活性化や雇用の確保といった側面があると認識しているところではありますが、一方で発注のための財源の確保、特にも市債の発行については、後年の財政負担に直結するものと認識をしているところであります。  今後におきましても、持続可能な財政運営を見通しながら、道路や漁港の整備等、市民ニーズを丁寧に把握し、優先順位を定めながら、国や県の補助金等の財源確保に努め、一定規模の事業量を継続的に確保できるよう、計画的に発注してまいりたいと考えているところであります。  次に、陸前高田市特定事業主行動計画の達成度と今後の行政運営についてであります。陸前高田市特定事業主行動計画は、仕事と子育ての両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスの向上を目的に、平成29年度から令和2年度までの計画期間としたもので、職場における勤務状況を把握し課題を整理した上で、具体的な数値目標を3つ定め、計画期間中における数値目標の達成を目指しつつ、その状況や取組状況を公表してきたところであります。  初めに、計画の1つ目の目標の職員の時間外勤務時間の状況でありますが、計画の基準となった平成26年度の1人当たりの月平均時間数が12.2時間であったのに対し、直近の令和2年度実績においては6.8時間で、約44%の減少となっており、目標値としている10%の減を達成するとともに、職員間、職場間のばらつきも解消されてきているところであります。  次に、2つ目の目標の年次休暇の取得状況につきましては、計画の基準となった平成26年中の全国の市区町村の平均取得日数が10.0日であったのに対し、本市は8.9日でありましたが、直近の令和2年中の年次休暇取得日数は10.5日となっており、目標値を達成しているところであります。  3つ目の目標の女性幹部の登用割合の推移につきましては、計画の基準となった平成27年4月時点の係長級以上の女性職員の割合が27.2%であったのに対し、令和3年4月時点では30.8%となっており、目標値としている30%を達成しているところであります。  これらの取組の成果としましては、職員一人一人が仕事の効率化や省力化への取組を進めることにより、余暇時間を有効に活用し、リフレッシュした状態で業務に取り組むことができ、また日々高度化する行政課題への対応力が高まることも期待されるものであると考えているところであります。  なお、令和3年3月には、次世代育成支援対策推進法及び女性活躍推進法の趣旨にのっとり、令和3年度から令和7年度までを計画期間とした第二次計画を策定し、第一次計画においても目標として掲げていた3つの目標に加え、男性職員の育児参加を促すため、新たに男性職員の育児休暇取得率の向上を目標として設定したところであります。  今後におきましても、引き続きさらなるワーク・ライフ・バランスの向上に向け、業務の効率化や省力化等に取り組むとともに、各職場の実態把握に努め、適正な職員配置を行う中で、職員がそれぞれ能力を最大限に発揮できる、働きやすい職場環境の整備を推進してまいりたいと考えております。  次に、ホームページリニューアル後の市民の反応についてであります。本市のホームページにつきましては、閲覧者の利便性向上を念頭に置いた情報分類、デザインの見直し、近年のホームページ利用者の増加やスマートフォンなど、閲覧環境の変化への対応等を目的に昨年度リニューアルを行ったところであります。  リニューアル後のホームページにつきましては、写真やイラスト等を効果的に使用したことに加え、色合い、文字サイズ等のユニバーサルデザインへの配慮やスマートフォン対応により、閲覧された方々からはリニューアル前よりもホームページ全体が見やすくなったとの声をいただいているところであります。  一方で、重要情報の表示や情報の検索性等について、より見やすく、より分かりやすくする観点からの御意見もいただいていることから、閲覧される方々の視点に立ち、市民の皆様にとって身近で適切な情報を得ることができるホームページとなるよう、御意見等も参考にしながら、適時適切な情報発信に取り組んでまいりたいと考えているところであります。  次に、行政手続における押印廃止に向けた取組状況と今後の見通しについてであります。国においては、令和2年7月に閣議決定された骨太の方針2020において、原則として書面、押印、対面を不要とし、デジタルで完結できるよう見直すことが方針決定されたところであり、この方針決定を受け、今国会においてデジタル社会形成関係法律整備法が成立し、48の法律において義務づけられている押印の見直しと書面手続の見直しが図られたところであります。  これらの国の動向を受け、本市におきましても去る3月定例会において上程した条例の一斉見直しに係る関係条例の整理に関する条例におきまして、一部の条例に規定されていた押印手続に関する規定を改正しており、また今期定例会においても、押印手続の見直しに関する条例を上程し、押印手続に関する規定を改正しようとしているところであります。  あわせて、押印手続を規定している規則についても見直しを行い、3月末時点で49の規則を改正するなど、押印の見直しを進めているところであります。  なお、住民票の発行や各種証明書の発行など、窓口業務の多くを占める手続については、従来から押印を不要としてきたところであり、署名と本人確認の手続により事務を執り行っているところであります。  また、業務改革の一環として、支払い業務等の財務会計処理におきましては、電子決裁のシステムを導入することにより押印を不要とするとともに、出張時でも緊急時の決裁が可能となるよう、現在庁内で調整を進めており、令和4年度からスタートを見込んでいるところであります。  今後におきましても、国の動向を注視しながら、行政手続における市民の利便性の向上と行政手続における負担の軽減を図ってまいりたいと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。なお、その他の御質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきますので、御了承願います。 ◎地域振興部長(阿部勝君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 地域振興部長。    (地域振興部長 阿部勝君登壇) ◎地域振興部長(阿部勝君) 有害鳥獣対策につきまして、命により地域振興部長からお答えいたします。  初めに、有害鳥獣による農林作物への被害状況と被害金額の推移についてであります。本市の有害鳥獣による農作物被害の状況でありますが、調査結果が確定している過去5年の推移を見ますと、平成27年度の被害面積が18ヘクタール、被害額が599万8,000円となっているのに対し、平成29年度が被害面積24.63ヘクタール、被害額429万円、令和元年度は被害面積が11.9ヘクタール、被害額が351万5,000円となっており、被害額の減少が見られるものの、依然として少なくない面積での被害があると認識しているところであります。  また、有害鳥獣による林木被害が確認された区域でありますが、過去5年の推移を見ますと、平成28年度の被害面積1.42ヘクタール、被害額138万円に対し、平成30年度が被害面積0.38ヘクタール、被害額58万3,000円、令和2年度は被害面積0.98ヘクタール、被害額161万5,000円となっており、年度によるばらつきが見られるところであり、継続した取組が必要と認識しているところであります。  このことから、引き続き被害が大きいニホンジカの対策を主とした継続的な捕獲や電気柵等の設置、造林木への防除薬剤散布を推進していく必要があると考えているところであります。  次に、狩猟による捕獲実績と電気柵設置への補助金交付についてであります。本市では、46名の鳥獣被害対策実施隊の皆様に、市内全域で通年にわたり活動をいただいているところであります。  狩猟による捕獲実績でありますが、過去5年の推移を見ますと、最も捕獲頭数の多いニホンジカは、平成28年度に1,147頭となっているのに対し、平成30年度が1,461頭、令和2年度が1,738頭となっており、直近5年間は毎年1,000頭以上を捕獲しているところであります。  また、ニホンジカの次に捕獲頭数の多いハクビシン等の小動物は、平成28年度に170頭となっているのに対し、平成30年度が186頭、令和2年度が243頭と増加傾向にあることから、箱わなの貸与による捕獲が一定の成果を上げているものと分析しております。  電気柵設置への補助金交付でありますが、国庫補助金と市単独補助金を個々のニーズに応じて使い分けているところであります。国庫補助金である鳥獣被害防止総合対策交付金は、一定程度のまとまりを持った集落が電気柵等を設置する際に、鳥獣被害防止対策協議会に対し定額を補助するもので、過去5年で7地区に設置し、総延長が約4万6,700メートル、補助額が約2,368万円となっております。  また、市単独補助金である鳥獣被害防止対策事業費補助金は、販売農家や集落等に対し、電気柵等の設置に係る経費の2分の1、上限が個人10万円、団体等50万円を補助するもので、過去5年で46件に補助し、総延長は約1万6,800メートル、補助額は371万7,000円となっております。  市では、昨年度から新たに非販売農家に対しても電気柵等の設置に係る経費の3分の1、上限5万円を補助しており、昨年1年間で3件に補助し、総延長は725メートル、補助額は12万1,000円となっているところであります。  次に、加害鳥獣の生息調査及び熊出没時等におけるドローン調査についてであります。加害鳥獣の生息調査についてでありますが、ニホンジカ等については捕獲位置を、熊については目撃情報を地図上のメッシュに落とし込むことにより、生息域やおおよその被害地域の把握に努めているとともに、岩手県への情報共有を図りながら、連携して取り組んでいるところであります。  議員から御提案をいただきましたドローンによる生息調査や捜索につきましては、その可能性について、ドローンを所有する消防署とも検討したところでありますが、事故、災害時等の捜索、救助以外は夜間や目視外の飛行が禁止されていること、人、物件等との間に30メートル以上の距離を保つことなどの航空法の制限があるほか、鬱蒼と茂る木々の葉が赤外線センサーの障害になるなど、現段階においては活用が難しいものと考えているところであります。  熊が出没した場合は、民家の近くでの銃器の使用が難しいことから、人の生活圏への出没を防止するため、生ごみや農作物の放棄残渣等を放置しないよう、引き続き市広報等による周知を図るとともに、防災行政無線による注意喚起や警察による警ら、市鳥獣被害対策実施隊による巡回等、関係機関との情報共有を図り、住民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。  以上をもちまして答弁といたします。 ◎教育長(山田市雄君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 教育長。    (教育長 山田市雄君登壇) ◎教育長(山田市雄君) 教育行政につきまして教育長からお答えいたします。  初めに、教育行政の課題と解決に向けた取組についてであります。東日本大震災から10年と3か月が経過し、この間子どもたちを支える教育環境は、少しずつではありますが着実に改善、前進してきたと捉えております。  一方では、岩手県が毎年実施している心と体の健康観察によりますと、本市では昨年度も心のサポートを必要とする子どもの割合が、県平均より小学校で1.5ポイント、中学校で3.9ポイント高い水準となっており、今後も引き続き丁寧な対応が求められているところであります。  また、全国に拡大している新型コロナウイルス感染症の状況は、いまだ収束への見通しが不透明であり、本市においても学校行事の内容見直しや削減等、学校生活が制限される事態が生じており、子どもたちのみならず、保護者の皆様にも大きな御心配をおかけしているところであります。  さらに、近年の少子化に伴う児童数の減少により、現在本市においても複数の学校で複式学級での授業が展開されておりますが、今後も児童数の減少傾向が続くことにより複式学級の増加が予想されることから、複式指導に関する研修会をさらに充実させるなど、教職員の指導力の向上を図ってまいりたいと考えております。  教育委員会といたしましては、まずは文部科学省から示されている学校の新しい生活様式にのっとったコロナ感染症対策を徹底するとともに、安心、安全な学校生活の確実な構築を図りながら、教職員の働き方改革を推進することで教職員が子どもたちと向き合う時間の確保と一人一人に寄り添った指導の充実を図り、全ての子どもにとってよりよい教育環境を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、教育現場におけるICT化による児童生徒及び教職員の反応と今後の課題についてであります。本市におきましては、教育におけるICT活用として、これまで学級に1台のタブレット型端末と学年に1台の電子黒板を配備してきたところであります。その後、ICTを活用した教育環境の進行に伴い、ネットワークを活用して、必要な情報や知識を共有した、子ども一人一人に適した学びの場を整えるために、昨年度末に全児童生徒へのタブレット型端末と各教室に1台の電子黒板の配備を終えたところであります。  タブレット型端末と電子黒板の活用により、児童生徒は思考過程の振り返りや整理が手軽にできたり、多様な考え方を視覚的に確認できたりすることから、ICTを活用した新しい学び方への関心を高めているところであります。  また、教員からは、児童生徒の学習状況の把握が容易となり、子どもたち一人一人の理解に合わせたきめ細やかな指導につながると期待されている一方で、ICT活用の具体的なイメージを持つことが難しいなど、本格的な指導に向けて戸惑いの声も上がっているところであります。  今後の課題といたしましては、情報モラル教育の充実を図りながら、タブレット型端末と電子黒板の積極的かつ適切な利活用を推進するとともに、教員のICTを活用した指導への支援が挙げられるところであります。  教育委員会といたしましては、適切な情報提供を行いながら、教員のニーズに合わせた研修会を早急に実施し、教員のICTを活用した指導力の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、社会教育の推進や芸術文化活動における施策展開についてであります。本市におきましては、多くの市民が学習活動に積極的に取り組めるよう、生涯学習出前講座や自主企画講座支援事業、盛岡大学・盛岡大学短期大学部公開講座など、様々な講座を開催しているほか、新たな文化芸術活動に取り組むきっかけづくりとして、文化芸術講座を開催しているところであります。  また、地域学習活動支援事業として、地域に密着した学習、文化活動の拠点施設である地区公民館との連携により、公民館講座を実施しているところでもあります。  公民館講座においては、地元の運営委員会において講座内容を話し合い、多くの参加をいただいているところであり、さらに高齢者の方々にとっては交流の場としての役割も果たしているところであります。現在は、コロナ禍の影響で活動を見合わせている地区もありますが、収束後には地区公民館との連携を密にし、以前のような活動ができるよう努めてまいりたいと考えているところであります。  今後、人生100年時代の到来が予測される中にあって、豊かな人生を送るためには生涯にわたって自ら学習し、学んだ知識や技能を生かし、地域社会へ貢献していくことの必要性が高まっていくものと考えております。  このような情勢から、市といたしましても市民の多様な学習ニーズに応じた学習機会の提供に努めるとともに、地域住民の交流や地域課題の解決など、地域づくりにつながる学習活動の充実を図り、高齢者の方々にとっても生きがいづくりにつながるような事業を展開してまいりたいと考えております。  次に、中央公民館を中心とした文化活動としての各種講座の開設についてであります。令和2年4月に開館した市民文化会館は、震災前の市民会館と中央公民館の機能を併設した複合施設として整備され、実習室や練習室、和室など、震災前の中央公民館と同様の機能が整備されております。  震災前に実施していた市民講座は、講座内容や参加者の固定化に課題があったことから、市民の多様な学習意欲を支援するため、自主グループが自発的に活動に取り組むための体制づくりや主体的な活動の継続について、平成28年度から自主企画講座支援事業を実施し、市民が文化芸術やスポーツ、趣味など、様々な学習活動が行えるよう支援しているところであります。  さらに、文化芸術講座におきましては、昨年度はクラフトバンド講座やフラワーアレンジメント講座、筆ペン講座などを開催し、文化芸術活動の裾野の拡大にも努めているところであります。現在、コロナ禍の影響で感染防止対策をしての開催となっておりますが、収束後を見据え、生涯学習活動や文化芸術活動など、多様化する市民ニーズに適応した事業の実施に努めてまいりたいと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) それでは、再質問いたします。  まず、1番目、行財政運営についてお尋ねをいたします。以前の4月の全協で、今後の財政見通しについて示された資料を基にちょっとお話をお聞きいたしますが、今後の取組として、健全で持続可能な財政運営に努めるというような文言がございます。もちろんそのとおりだと思いますが、この持続可能という言葉なのですけれども、最近SDGsに関連してなのだと思うのですが、年配の方なのですが、持続可能と言われると、やはりある程度理解はできるのだけれども、どうもぴんとこないのだよなというような話をいただくのですが、財政運営においての持続可能なというのはどういった状況なのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 財政課長。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 財政課長よりお答えいたします。  4月にお示しをさせていただきました財政見通しにおける持続可能の意味でございますが、大きなところといたしましては、歳入の部分につきましては、本市の基幹的な収入となる市税、これを、先ほど御答弁では、人口減少等の要因により難しい部分もあるとお答えはさせていただいておりますが、これをいかに継続して収入として確保していくか、これが非常に大事だと、財政的な面では考えているところでございます。  また、一方で、歳出の面でありますけれども、効率的な執行です。これは何かといいますと、必要な経費というのはどうしてもあろうかと思っております。必要な経費については、しっかり支出していく。その上で、少しでも効果的に、何かと一緒に執行すること等によって経費が圧縮できる部分も当然あろうかと思いますので、そういった創意工夫をすることにより支出額を少しでも抑えていく、そういう取組が大事だろうと。その持続可能という考え方でございますが、財政の部分については、将来を担う次世代、その次の世代の方にしっかりとした財政状況が安定している中で引き継いでいく、そういった目標における取組を継続してまいりたいと考えているところでございます。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) そのことについて、また後でちょっとお聞きをいたしますが、その次、基金の件でございます。これ午前中の同僚議員もお聞きをしているので、ほとんど私も聞く内容がなくなってしまったのですが、ちょっと1点だけ確認したいのは、やはり市長の答弁の中にもちょっと一言あったのですが、基金の中でもある程度時間が限られたものがあるのではないかなと。例えば復興関連の基金などもございますが、本市の場合は、もちろん既に陸前高田市震災復興計画については、計画年度が過ぎていると。今後復興関連の基金というのは、大体いつ頃まで設置する予定になっているのか。国との関係性もございますので、国の方向性次第だと思うのですが、その辺ちょっと確認させていただきたいと思います。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 財政課長。 ◎財政課長(黒澤裕昭君) 財政課長よりお答えいたします。  議員御指摘のとおり、震災後復興、復旧を目的とした基金を数多く創設させていただいたところでございます。特にも大きいのは、復興交付金基金でありますが、こちらにつきましては復興交付金制度が昨年度、令和2年度末で終了ということでございますので、こちらについては、基金については、今残高はゼロという形になってございます。同様に、震災後の基金といたしましては、例えば子どもの学び基金でありますとか社会教育施設整備基金でありますとか、様々な目的に沿った基金を創設させていただいておりますが、例えば社会教育施設整備基金においては、もう復旧整備がなされているという一定の目的が果たされているものもありますので、そういったものについては順次基金を廃止という形で整理をしてまいりたいと考えているところでございます。また、その時期につきましては、様々目的が達成された時期によりますので順次という形になりますが、整理をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) 今財政課長からの答弁のとおり、時期を見ながら整理をしていくということになるのだろうというふうに思いますが、市長にちょっとお尋ねしたいのは、やはり復興、これまでも、もちろんこれからもまだしばらく復興という言葉と言ったらあれですけれども、事業ですとか、様々なことが必要なのだろうと。本当の意味での復興というのはまだまだかかるのだとは思うのですが、その上で市長のお考えとして、復興の到達点といいますか、終わる姿といいますか、大体どういう状況になったらば復興を遂げたというふうに考えられるのか、その辺の何かイメージがありましたら教えていただきたいなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) その質問は、いろんなところから受けるわけでありますが、正直言って非常に市民一人一人、被災者一人一人の感覚というのは違うのだろうなというふうに思っています。私の中では、やはり復興という言葉については、非常に意識を持ってやってきました、復旧とは違うのだと。あくまでもさらにいいもの、さらにいいものを目指していくのだということですから、そういう意味では、ここまで行ったらというのはなかなか難しいだろうと思っています。ただ、やっぱりこれは、市民の満足度みたいなところにしか最終的にはよらないのであろうと思っています。震災前からあった課題がたくさんあって、今でも交通の問題とか、これは何も震災があったからみんな困っているわけではなくて、もともと公共交通が脆弱であったというようなことがある。そういうものまで含めて、やはり前に推し進めていくことが一定かなって、市民の皆さんの実感としてやはり震災前のまちよりも明らかにいい形になったよねと思ってもらえれば、一定の復興は果たせたものなのだろうと。これはあくまでも私の考えでありますが、そのように考えているところであります。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) 次に、一般会計の歳入の市債についてちょっとお尋ねをいたしますが、今後の財政見通しについては、もちろんこれまでも何度も説明を受けているように、大きなハード整備事業が、復興も終わりましたので整備事業が終わることによって市債も年次的に減っていくよというような説明がございました。  ただ、やっぱり一方で、先ほど市長、午前中の答弁にもあったように、市の予算というのは、やはり市民の経済、市民の生活にすごく私は密着をしているというふうに思うのです。もちろん市の担当者の方々もそれ十分よく御存じだとは思うのですが、やはりある程度市債がただただ減ればいいのかということだと思うのですが、その辺のお考えをちょっとぜひお聞きをしたいですが、私の考えですけれども、やはり今この市債という借金のことを考えるに当たって、タイミング的には金利がすごく低い時期ですので、本市の財政的なものがある程度体力があるときにやれるものはやっておくと、そういったこと、午前中の市長の答弁ですと、何でもかんでも借金をしてまでというような話がございましたけれども、私はある程度借金が多くなっても、将来の、次世代の市民に負担がかかるというようなこともあるかもしれませんけれども、将来の、次世代の市民のためにも、やはり今やれるべきことはやっておくと。体力のあるうちに、ましてや借金をしても金利が低いときにやるべきではないかなと、その辺お考えいかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 今やるべきだという判断があれば、それは当然前倒しでやっていくということだと思いますが、ただ起債を増やすというよりは、先ほど来お話が出ている財調とか、あるお金というのがありますし、もう一方で、やはり同じ起債でも過疎債のように有利なものもあるし、あるいは後から交付税で7割バックとか、様々あるわけです。ですから、財政課を中心にいろいろと組み立てるわけですが、お金があってもあえてここは借金をしたほうが将来的には、後から戻ってくるものがあるのだから、自前のお金を100%出すよりも、後から7割返ってくるのだったらこっちのほうがいいですよねというような組立てというのをやっているわけです。  ただ、一方で、今新聞等で問題になっていますが、コロナで東京都の財政調整基金がほとんど枯渇している。もっと言えば、京都などは本当に大変な状況で、まさに私が選挙で言われましたけれども、第二の夕張になるのではないかというようなお話が事実としてあるわけです。やはり我々は、そういう数値というものを常に意識しながら、起債制限比率とか様々あるわけですけれども、そういうものも頭に入れながら財政運営をしていかなければいけないものですから、緊急事態だとか、これをやることによって市民の皆さんが非常に喜んでくれるとか、何か勢いがつくという場面は、これはやっぱり決心しなければいけないかもしれませんけれども、通常であると、やはり計画的な財政運営をせざるを得ないというふうに私自身は考えています。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) 市長がおっしゃるのも、首長として、市のリーダーとしてお話をするのは、すごく今の内容は理解できます。私もこの場というか、この立場で、やはり財政指標を云々というようなこともお話をしたこともございますし、やはりその辺で今さらおまえ何言っているのだと市長に言われるかもしれませんが、ただ私が思うに、やはり今の時代といいますか、タイミングといいますか、やっぱりやれるときに、体力があるのであれば、財調も実質44億というような数字がございました。午前中だと、適正規模だと大体6億5,000万でしたでしょうか、それよりはるか大きな金額が基金としてありますので、私としては今の陸前高田市の財政状況はある程度体力がまだまだあるなと。このコロナによる影響でも、ある程度乗り越えられるのではないかなと。そうなってくると、その先を見越した上での、私が一番心配するのは産業振興なのですけれども、今の市内の経済を見ると、やはりかなり厳しいものがございますので、一次産業、二次産業、三次産業全てにおいて振興を図るには、やはり行政の力というのが一番であります。陸前高田市の市民一人一人の力というよりも、やっぱり行政の力がないと、このコロナも打ちかてないだろうし、コロナ後のまちづくりも難しいだろうというふうに思いますので、ぜひその辺、市長は十分よく分かっていると思いますので、ちょっとこの辺は省略をいたします。  次に、ワーク・ライフ・バランスについてちょっとお尋ねをいたしますが、第一次の計画のときに、市職員の年次有給休暇の取得がやはり全国平均を下回ったよというような報告がございましたが、ちょっとこれ何か原因というのは、調査というか、やっておりますでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎総務部長(戸羽良一君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 総務部長。 ◎総務部長(戸羽良一君) 総務部長よりお答えいたします。  特には調査というわけではございませんが、多分震災復興の関係もあって、なかなか休めなかったのかなということもございます。昨年度は、特にもコロナの関係で、平準化ということで、勤務も休みも使ったりしながらやろうということで、その際に年休も併せて使おうということ、あるいは国の一般企業のほうで、労働基準法の改編で、5日が義務づけになったということもありましたので、それも意識しながら、昨年辺りから徐々に取得ということが増えているということですので、今後においても管理職中心に課内でそういった計画的な取得を呼びかけていけば、そういった部分は維持できるのかなと考えているところでございます。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) ワーク・ライフ・バランスについて、今後の課題になるのが、やはりちょっと男性職員の育休の問題なのかなというふうに私は思っております。ただ、これ私が若い頃については、全く考えられないというような話ではちょっと今時代ではないですけれども、やはりこれも時代でして、何とも言えないのですけれども、やはりそういう時代の流れであります。市の職員の方々にもぜひそれをできるような環境づくりだと思うのです。職場の各課内の職場環境のやはりそういう理解というか、お互いの理解が必要なのでないかなというふうに思うのですが、その辺についての考え方を改めてもう一回お願いできますか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎総務部長(戸羽良一君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 総務部長。 ◎総務部長(戸羽良一君) 総務部長よりお答えいたします。  私も議員と同じ世代ですので、そういうふうな感覚ありますが、やはり見ますと、職員職員の仕事の仕方というのも一つの要因になっているのではないのかなと思います。言っているのは、やっぱり仕事をするときはする、休むときは休むといった、そういっためり張りつけていかないと仕事の効率が上がらないと思いますので、仕事の効率を上げながら、そういった休める時間を取っていくというのが目指すべき方向だと思いますので、そういった部分については職員の間でも話合いしながら進めていきたいと考えております。 ◆10番(鵜浦昌也君) 議長。10番、鵜浦昌也。 ○議長(福田利喜君) 鵜浦昌也君。 ◆10番(鵜浦昌也君) それでは、最後の有害鳥獣についてお尋ねしますが、時間もないのでこれあれですが、ドローンについてはちょっとやっぱり無理だという、現時点ではそういう調査とか、こういう有害鳥獣に対して、ドローンを飛ばして調査をするというようなことは、まず現時点ではちょっと無理だよという内容のことだったと思います。ただ、普通本当の専業でやっている農家の方々だけではなくて、やはり私は家庭菜園の方々もすごく被害に遭っているわけです。正直うちでも、90になるおやじが、去年ジャガイモ全滅だったのです。やはりそういう家庭菜園で、自分の孫に送りたいがためにやっているのも、全部鹿に食われてしまったり、そうなってくると今年はもうやめました。  やっぱりそういうふうになってしまうのだと思うのです。全滅になって、来年もまたやるべといったら、そういう方はあまりいないのです。そうなってくると、本当にこれ本気になってやらないと、私以前はここでやはり国にお願いして、自衛隊でも動員してもらってというような話をさせていただきました。それは、もちろん国会でもそういう声があったもので、私そのときはそういうふうにお話をした経緯がありますが、本当にこの有害鳥獣については、ましてや私が住んでいるところ、市役所の近くでも、猿が出没しているのです。私野生の猿というの今まで見たことはないです。ちっちゃい頃市内でも何か所かあって、松原の観光案内所にも猿と鹿がいましたけれども、それぐらいです。まして野生の猿がうちの前に出没しているというの、私はすごく驚いたわけですけれども、本当に本気でやっぱり有害鳥獣対策進めるべきと思います。改めて最後にお話しいただけますか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) この有害鳥獣等については、本当に危機感を強く持っています。皆さん御案内のとおり、猟友会の皆さんも高齢化が進み、また人数も限られている中で、一生懸命鹿の駆除などやってもらっていますけれども、現実には被害が収まっていないという、これが現実です。やはり私は、自衛隊の話もありましたけれども、本当に国で真剣になっていただかないと、多分地方のことがあまり国会の中で話題になりづらい、やはりどうしても東京とか大都市の経済とか、そういう話が中心になっていて、でも日本全体を考えたときに、やはり一次産業というものがなくなってしまえば、これはもう国が成り立たないわけです。  ですから、こうやって市議会で議論することも大変重要だと思うのですが、やはり我々としても、真剣に岩手県市長会なども含め国のほうにお願いをしていく、それから今までの、先ほどドローンといういいアイデアもいただいたわけですけれども、実際には航空法とかという話になってしまうわけです。だから、それは東京のルールと陸前高田、岩手のルールを同じにしたのでは何もできないわけですから、やはりそういったところも規制緩和などかけていただきながら、有効性のある、実態に合った様々な手だてができるように強く働きかけをしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(福田利喜君) 以上で10番、鵜浦昌也君の一般質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) この際、暫時休憩いたします。休憩時間は10分程度といたします。    午後 2時34分 休   憩    午後 2時42分 再   開 ○議長(福田利喜君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を継続いたします。  9番、伊勢純君。     (9番 伊勢純君登壇) ◆9番(伊勢純君) 一般質問を行います。  第1に、沿岸漁業の深刻な現状と本市の対策についてお聞きします。本市の海産物は、震災以前から品質が高いことが一つの特徴です。しかし、高品質がゆえに、取引先は首都圏が多く、今年の春先は首都圏での物流の停滞が本市の海産物の出荷にも直結し、物が動きにくい状況が生まれました。昨年に比べ、多くの漁業者から大変だという声が届いています。養殖業に限りませんが、天然の魚類などを狙う漁船漁業の方々の収入減も昨年から続いています。今年は、安くて本当に苦しい、水温のせいか、捕れる量もさらに減っている、支払いも遅れてしまっていると悲痛の声が上がっています。昨年まで、震災から復旧した漁船の借金返済に追われながら、魚価低迷の下で無理をして遠くまで漁に出かけている苦労もお聞きしました。  そこで、本市では、漁業経営に対する新型コロナウイルス感染症の影響をどのように分析しているのか、まずお聞かせください。また、不漁や貝毒なども深刻な事態ですが、どのように捉えているのか、お聞かせください。  一方で、本市は、新型コロナウイルス感染症の影響で減収となった漁業者への支援として、経営継続補助金や広田湾産水産物販売促進補助金などに取り組んできました。経営継続補助金は、国の制度に市独自に最大100万円を上乗せし、8分の7補助率を実現。その資金には、市からの利子補給が実現している漁協のJFマリンバンクを活用する人もいます。  広田湾産水産物販売促進補助金は、広田湾漁協のインターネット通信販売の送料を無料とするものです。漁協からは、販売額が伸びた。さらに、日頃しっかりと仕事に取り組み、よいものづくりをするも、目立ちにくい生産者に発送を割り当て、できるだけ公平な形で販売することができたと効果をお聞きしました。ほかにも、貝毒検査への市の支援についても、漁業者は検査の支援金が入った。助かると話しています。  本市の支援策は、苦しい経営を少しでも支援し、それは新型コロナウイルス感染症による消費構造の変化と単価下落により、落ち込む漁業者の気持ちも励ましてきました。さらに、漁協との連携により、公平な形の販売にも効果を現し始めています。  そこで、本市の漁業者に対する新型コロナウイルス感染症の影響への支援策の成果と今後に向けた考えはどのようなものか、お聞きします。  本市は、4月に新規漁業者受入れに関するアンケートに取り組みました。後継者が確保できているとする割合は、県内の市町村平均で21%、本市は38.5%との結果でした。設問の違いなどから、直接の比較は難しいのかもしれませんが、本市の漁業支援策は後継者確保への効果を発揮していると言っていいのではないかと思います。このアンケート結果について、どのように分析しているのでしょうか。  また、アンケート結果は、漁業者に後継者がいる場合は、種別に養殖業が47.6%、魚類が8.3%と、特に魚類は後継者が少ない現状でした。しかも、8.7%の内訳は、回答した中で2件しか後継者がいないというものでした。  また、昨年4月に策定された本市の水産業振興計画からは、平成30年の本市漁業経営組織数は366、その中で養殖は101、養殖をしていない経営体は265と、2.5倍も多いのは魚類などの非養殖経営体です。利用する海域で養殖はできないのか、漁業者の年齢や年金収入はどうかなど、様々な条件はありますが、それにしても僅かに8.7%の後継者確保という漁船漁業に対し、後継者対策を検討する必要があると思います。市の考えはいかがでしょうか。  近年の海洋環境の変化や貝毒の被害に伴い、市内でもホタテ養殖からイシカゲガイ養殖への転換などが進んでいます。そこには、非常に悩ましい現実もあります。収益を求めるなら、ホタテ養殖は廃業し、イシカゲガイ養殖への転換なども必要です。また、一方では、高齢化などの条件から、転換は難しい漁業者もいます。また、漁業共済からの補償も、不漁が長期化すると減額は避けられないことから、貝毒被害も3年目となると、経営を決断する時期となっています。将来的にも、ホタテだけではなく、養殖種の変更はあり得ることだとも思います。  私は、今後の漁業振興の方向性として、養殖種の転換をしない場合と積極的に転換を進める場合の2つに分けた支援の検討が必要と思いますが、市の考えはいかがでしょうか。  次に、放射能汚染水の問題です。政府は、今年4月13日に福島第一原子力発電所処理水の海洋放出の方針を閣議決定しました。漁業者へ説明を行うと約束していたにもかかわらず、その説明もないままの決定です。閣議決定の前日である4月12日に、国会では海洋放出に対する福島の漁業者の怒りが首相に伝えられました。そして、科学的な追求によって、新たな事実が明らかになりました。福島の漁業者の怒りとして、賠償で後継ぎはできない、賠償で復興とは言えないという強い思いが首相に伝えられました。まさに本市の漁業者も同じ思いです。  市内のあるカキ養殖の方は、涙を流しながら、俺も反対だ。汚染水を流されたらどうなるのかと語ります。また、2年前に、気仙地区の海産物が輸出できるか台湾へ調査に行った漁業者は、その時点で既に三陸物は買いませんと断られ、世界は日本をどのように見ているのかということ。そして、これまで海を守ってきたのに、海洋放出を後継者につないでしまうと、後悔の思いがある。先人に対して申し訳ない。絶対に海洋放出してほしくないと話しています。  また、重要なことは、4月12日の国会で明らかになった新たな事実です。タンクの敷地問題として、東電の発表では、現在のタンク容量137万トンに対し、125万トンの汚染水がたまっており、現状のまま推移すれば、2022年秋頃には満杯になるといいます。しかし、そもそも原発7号炉や8号炉の建設予定地があること、燃料デブリの一時保管施設、廃棄物の保管施設を建設するためにタンクをどける必要がある。しかし、燃料デブリは極めて高線量のため、最終処分までは全く見通しが立たないことから、タンク増設の敷地がないという問題は根底から揺らぎました。  ほかにも、仮に海洋放出を進めても、少なくとも40年はかかること、トリチウムの半減期は約12年なので、新たな処理方法が開発される可能性もあること、さらにトリチウムを分離する研究も進んでいます。岩手にとっても、汚染水問題は県全体の水産業に関わる重大事態であり、漁業者をはじめ、市民からは怒りの声が上がり続けています。  また、広田湾漁協においても、全漁連や県漁連と連携し中止を求めています。コロナの次は海洋放出だ。そんなことされたら売れなくなると態度は鮮明です。こうした状況を踏まえ、本市の考えをお聞かせください。  第2に、ふるさと納税と地元特産物の取扱いについてお聞きします。本市のふるさと納税は、コロナ禍においても取扱件数や寄附金額が増加しており、全国の方々から本市への大きな支持が広がっています。  平成31年4月から令和2年3月までの寄附状況を見ると、延べ2万3,000人以上、総額4億円以上に上ります。全国から、一人一人が本市に寄附を寄せていただくことに、言葉にできない感謝の念を抱きます。  これまでのふるさと納税の実績、そしてその要因を市はどのように捉えているのか、お聞かせください。  本市のふるさと納税の返礼品は、海産物や農産物などの評価が高く、市内の一次産業や地域経済への波及効果が大きいものです。返礼品の魅力をさらに高めるためには、品質の向上が重要であると思います。金額に見合う形での一定水準以上の品質を守り、どの返礼品を受け取っても満足できるように検査や認定があれば、さらに寄附側も安心して寄附できるものと思います。例えば漁協やJA、生産組合などが一定の基準や検査、認定を与える体制の強化がさらに前進してほしいと思います。  市として、返礼品生産者がその検査体制に参加すれば認証が得られるなどの利点が、また検査を行う団体なども手数料収入や市独自支援が得られるような優遇策を講じてはどうかとも思います。市の考えはいかがでしょうか。  ふるさと納税による寄附金は、本市の子育てをはじめとする9つの事業を後押しする力となっています。例えばタクシー券などの交通事業も、財源は全国からの寄附金で賄われていることや子どもの医療費無料化の財源となったことなど、もっと市民が知ることで事業の意義が伝わります。また、返礼品の生産が市内の仕事につながり、経済効果を高めていることを積極的に市民に伝えることで、さらに返礼品出品の意欲が増し、地域経済の循環につながるものと思います。市民への情報提供の強化をどのように進める考えでしょうか。  第3に、コロナ禍の生活相談体制についてお聞きします。社会福祉協議会が取り組んでいるくらし応援窓口は、市民に寄り添いながら、コロナ禍での収入減や悩みなどの相談対応をしており好評と耳にします。場所は、JR陸前高田駅隣のまちの縁側であることも、気軽で相談しやすさにつながっていると相談員からお聞きしました。  これまで市の広報や社協だよりなどでも相談窓口の案内がありましたが、コロナ禍で深刻な生活を強いられている人にとって、よりどころの存在を知ることは、命綱にも匹敵することと思います。  また、収入減少の原因の一つとして、依然として労働基準法などの働く側の権利が労働者自身に知られていないことを私が対応した相談者にも多く見られます。また、コロナ禍で収入減対策として国が取り組んでいる支援策が、労使相互に浸透していないことも実感します。  これらのことから、市として相談窓口の紹介、ふるさとハローワークとの連携で労働相談窓口の設置、さらに制度紹介などの強化を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。  コロナ禍における収入減の問題などは全国に広がっていますが、その影響は特に男性よりも女性に大きいとされます。市内でも、新型コロナウイルス感染症の影響による収入減や借入金の返済などの悩みは、この1年で急増しているという実感があります。一月の収入が3万円台まで落ち込んだといった複数の相談者の実例が今回の質問の背景となっていますが、本市では市民の困難をどのように把握しているのかという点、そして女性の相談状況はどうかという点についてお聞かせください。  コロナ禍の生活支援として、市民一人一人が各種支援事業を十二分に活用することが一つの方法と思います。この間、本市は国や県の制度であっても、制度一覧の資料の配付や市ホームページへの掲載などに取り組んできました。この継続による情報提供、そして国や県の相談であっても、問合せ先の案内までは市で取り組むといった、市民が1か所で確認できる相談窓口体制が必要と思いますが、市の考えはいかがでしょうか。  以上、3点についてお聞きします。答弁を求めます。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。     (市長 戸羽太君登壇) ◎市長(戸羽太君) 伊勢純議員御質問の沿岸漁業の現状と本市の対策につきましてお答えをいたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症の漁業への影響及び不漁や貝毒についての現状認識についてであります。新型コロナウイルスによる影響が長期化する中、市の基幹産業である一次産業への影響の実態を明らかにするとともに、生産者の生の声をくみ上げ、市独自の支援策に反映させるため、県内で初めて新型コロナウイルスに関する漁業者への影響調査を本年3月末を期限に実施したところであります。  調査結果の概要でありますが、回答いただいた漁業者の93.6%が前年と比較して収入が減少したと回答しており、生産種別にかかわらず、市内漁業者全体に大きな影響が及んでいる実態が改めて明らかになったところであります。  この新型コロナによる影響拡大に加え、昨年は魚類の不漁やホタテの貝毒被害が長期化し、特にも貝毒にあっては、ホタテの出荷停止期間が半年以上に及ぶなど、漁業者への影響は甚大かつ深刻な状況であると認識しているところであります。  次に、市独自の支援策の成果と今後の考えについてであります。新型コロナウイルスの急拡大を受けた漁業者への市独自支援の状況でありますが、昨年6月の市議会定例会以降3度の追加補正により、水産関係で合計1億1,050万円の追加予算による支援をさせていただいたところであります。  このうち省力化機械導入等に対する国の経営継続補助金につきましては、市独自のかさ上げ支援を制度化し、市内80名の漁業者から申請をいただいたところであり、国の繰越事業でもあることから、本年度も国からの補助金交付後に、市が自己負担部分に係る追加支援をさせていただくこととしているものであります。  また、新しい生活様式に合わせた需要喚起策として、漁協のオンライン販売における送料等を支援する広田湾産水産物販売促進補助金の結果でありますが、道の駅を含めたキャンペーン全体で約6,400万円の売上げとなったほか、オンライン販売の実績が前年比で約12倍と大幅に増加し、新たに約5,000件の新規顧客の開拓に至ったところであります。  加えて、これまではオンライン販売に参加できなかった高齢の漁業者等に対しても広く声がけを行ったことから、新規の出品漁業者が増加し、多くの生産者からは新たな販路開拓につながったと御好評をいただいたところであります。  これを受け、令和3年度におきましても、好調なオンライン販売における送料等を継続して支援させていただくこととし、追加の補正予算案を本議会に提案させていただいているところであり、これによる販売促進キャンペーン等を行うことで新規顧客の定着化を図るほか、おうち時間に伴う新たな需要の開拓により、広田湾産水産物のさらなる販売促進を図ってまいりたいと考えているところであります。  次に、新規漁業者の受入れに関するアンケート結果の分析及び漁船漁業の担い手対策についてであります。新規漁業者の受入れに関するアンケートについては、新規漁業者に対する補助制度を昨年拡充して以降、移住を含め漁業希望者からの相談が増加傾向にある一方、受入れ先の漁業者が不足している状況にあることから、新たな受入れ先の確保と漁業後継者の実態を把握するため、新型コロナウイルス影響調査と合わせて実施したものであります。  アンケートの結果でありますが、回答いただいた漁業者のうち、市内における後継者の確保率は約39%となっており、これは2018年に行われた漁業センサスにおける県内の平均確保率である21%を大幅に上回る結果となったところであります。  また、生産種別の後継者確保率においては、カキが42%と最も高いのに対し、魚類は8%と最も低くなっており、漁船漁業における後継者確保の難しさを改めて示す結果となったところであります。  この結果を受けまして、今後におきましてはアンケートで受入れ可と回答いただいた漁業者に優先的に希望者のマッチングを図るとともに、漁船漁業も含めた後継者確保対策について、広田湾漁協と連携し、中長期的な視点も含めながら検討を行ってまいりたいと考えているところであります。  次に、貝毒に伴うホタテ養殖漁業者への養殖種転換支援についてであります。貝毒については、近年の海洋環境の変化等により高頻度で発生しており、平成30年度と令和2年度にあっては半年以上の出荷規制を強いられるなど、ホタテなどの養殖漁業者にとって最も懸念される問題の一つとなっているところであります。  このため、広田湾漁協においては、比較的生産漁場が類似しており、養殖施設の整備に対する市からの補助が制度化されているイシカゲガイへの生産転換を促している状況にあり、既に3名の方がホタテ養殖からイシカゲガイ養殖へと切替えを始め、徐々に養殖種の転換が進んでいる状況であります。  一方で、生産転換を行わない考えの漁業者も一定数いらっしゃることから、今後とも広田湾漁協と連携して丁寧なヒアリングを行い、当事者の気持ちに寄り添った対応策を検討してまいりたいと考えているところでございます。  次に、福島原子力発電所処理水の海洋放出における本市の考えであります。本年4月13日、政府は福島原子力発電所における放射性物質トリチウムを含むアルプス処理水について、海洋放出の方針を決定したところであります。  これに対しまして、全国漁業協同組合連合会では、漁業者と国民への説明、風評被害への対応、アルプス処理水の安全性の担保、漁業者の経営継続及び継続保管等の継続的検討の5項目について、国に対応を求めているところであり、岩手県や岩手県漁連及び広田湾漁協につきましても、同様に海洋放出反対の意向を示しているところであります。  市といたしましても、処理水の海洋放出につきましては、風評被害等が福島県をはじめ東北地方の太平洋沿岸部にも及ぶ大きな問題と捉えており、私自身も国が海洋放出を決定した4月13日の同日に開催された岩手県市長会の場で、これまで懸命に努力してきた漁業者の思いを真摯に受け止め、十分な説明と慎重な対応を行うこと並びに処理水は海洋放出によらない新たな処理、保管方法を国の責任で検討することを市長会として求めるよう提言を行ったところであります。  今後とも、本市水産業の発展を支えてきた漁業者や本市で新たに漁業を営もうとする新規漁業者の今後の経営を支援していくためにも、県や県漁連並びに広田湾漁協と連携し、処理水の海洋放出には絶対反対の姿勢を示しながら、漁業者への丁寧な説明を求めていくこととしているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。なお、その他の御質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきますので、御了承願います。 ◎地域振興部長(阿部勝君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 地域振興部長。    (地域振興部長 阿部勝君登壇) ◎地域振興部長(阿部勝君) ふるさと納税と地元特産物の取扱いにつきまして、命により地域振興部長からお答えいたします。  初めに、ふるさと納税のこれまでの実績及び取扱件数や寄附金額増加の要因についてであります。本市のふるさと納税は、平成20年の開始以降、東日本大震災により一時休止しておりましたが、平成27年7月に再開したところであります。平成28年度から令和元年度までの毎年の寄附件数は約2万2,000から2万3,000件、寄附金額は4億円強でありましたが、令和2年度はその約1.5倍の約3万7,000件、約6億5,000万円となったところであります。  増加の要因でありますが、コロナ禍における巣ごもり需要により、全国的にふるさと納税そのものが増加傾向であったこともありますが、それ以上に、返礼品等取扱業務の委託事業者による取組が大きく影響していると考えているところであります。  本市では、令和2年度より返礼品等取扱業務について、これまでも北上市などで実績のある事業者と地元の地域商社との共同企業体に委託しておりますが、委託事業者から市内事業者への研修や個別訪問により、返礼品の質、量ともに充実したこと、またふるさと納税の寄附サイトの工夫により、多くの寄附者の目に留まったことなどが大きいと考えているところであります。  次に、ふるさと納税の返礼品の品質を高めるための出荷基準や検査、その体制の強化についてであります。平成31年4月に総務省が、返礼品を地場産品とすることを含めたふるさと納税指定制度に係る指定基準を決定、告示したことを踏まえ、本市においても令和2年に返礼品提供事業者及び返礼品の募集、登録要項を定め、市内事業者に対して説明会を実施した上で、要綱に定められた要件に合った返礼品の改善、新規開発を進めているところであります。  海産物や農産物を一定の水準以上の品質で出荷するための基準や検査、認定についてでありますが、ふるさと納税の返礼品は、そもそも市場で流通、販売される商品であり、海産物や農産物として一般的に出荷されるために検査、認定されたものであるため、ふるさと納税としての独自の基準を設定しているものではないところであります。  この点を前提に、返礼品取扱業務委託事業者が水産、農業事業者に対して、当該返礼品を選択された寄附者の声を届けることで商品の改善を図るほか、商品のサイズ等によって寄附金額を変えて、プレミアム品や訳あり品と表示して返礼品を掲載するといった工夫を図っているところであります。  次に、市民に対し寄附金が事業の財源になっていることや市内で生産される返礼品の経済効果などについて積極的に伝えることについてであります。ふるさと納税は、寄附金額の約30%が返礼品の経費となっており、多くの御寄附をいただくことにより、返礼品を提供する市内事業者の収益にもつながっております。  また、御寄附いただく際には、子ども支援、高齢者・障がい者支援、農林水産業・商工業支援等、市で設定した9つの事業分野から、寄附者の方に支援したい分野を選択いただき、各分野での寄附金額の範囲において市で具体的な事業に予算配分をしているところであります。  東日本大震災からの復興に際して、本市は日本中から御支援をいただいてまいりましたが、震災後10年を経過した現在においても、ふるさと納税を通じて本市の復興を支援してくださる多くの方々がおられ、その皆様の御厚意を財源として、市民の皆様に役立つ事業として届けられていることを伝えていくことは、非常に重要なことであると考えております。  市といたしましては、ふるさと納税を通じて多くの御寄附をいただいていること、その御寄附を財源にどういった事業を実施してきたかなどについて、広報紙等への掲載を含め、様々な機会を捉え市民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えているところであります。  以上をもちまして答弁といたします。 ◎福祉部長(千葉恭一君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 福祉部長。    (福祉部長 千葉恭一君登壇) ◎福祉部長(千葉恭一君) コロナ禍の生活相談体制につきまして、命により福祉部長からお答えいたします。  初めに、くらし応援窓口の紹介と併せた労働相談窓口などの開設及び情報周知の強化についてであります。くらし応援窓口につきましては、困り事に関する幅広い御相談に応じ、困り事を解決するために活用できる制度やサービスの紹介や適切な部署、関係機関などにつなぐ窓口として、市が陸前高田市社会福祉協議会に業務を委託し、平成27年度から開設しているものであります。  また、陸前高田市社会福祉協議会におきましては、令和2年1月に中心市街地の交流施設まちの縁側内において相談窓口を開設するなど、地域の関係機関と連携し、寄り添い型の相談支援の充実に取り組んでいるところであり、市民が不安や困り事を気軽に相談できる場所として好評をいただいていると伺っております。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、暮らしや住まいなど、生活にお困りの方からの相談支援がますます重要性を増していることから、市といたしましても社会福祉協議会との連携や情報交換をより積極的に行い、相談体制の充実を図るとともに、機会を捉えてくらし応援窓口の利用案内や周知に努めてまいります。  また、ふるさとハローワークにつきましては、平成21年に市が陸前高田市ふるさとハローワークを設置し、令和元年7月にはチャレンジショップエリア内に移転したところであります。  ふるさとハローワークの利用や情報の周知につきましては、転職予定の有無にかかわらず、市民の皆様に気軽に求人情報の収集や就職相談のできる場所として御利用いただくべく、市の広報紙への掲載のほか、図書館等の公共施設でもふるさとハローワークによる求人情報を閲覧できるようにするといった取組を進めており、引き続き求人情報等の周知強化に努めてまいります。  また、ふるさとハローワークでの労働相談につきましては、大船渡公共職業安定所より職業相談員を派遣いただき、ハローワーク大船渡と同様の求人情報の提供や相談対応を行っているところでありますが、具体的な職業あっせんはハローワーク大船渡に取り次ぐこととなっているところであります。  コロナ禍の長期化により、雇用環境は当面厳しさが続くものと予想されることから、大船渡公共職業安定所と連携をより一層強化して、労働相談体制の充実に努めてまいります。  今後につきましても、人手不足の事業所や本市に新たに立地する企業などと、ふるさとハローワークを積極的に橋渡しすることにより多くの求人情報を提供できるようにするとともに、陸前高田商工会とも連携して市内企業への就職相談会の実施についても検討してまいりたいと考えております。  次に、コロナ禍での女性への影響の把握と相談状況についてであります。コロナ禍での女性への影響に関しましては、2020年の総務省労働力調査において、全国での雇用者数が男性14万人減に対し、女性は17万人の減という結果が出ており、より女性が影響を受けている現状にあると認識しております。特に雇用形態別の雇用者数推移では、非正規雇用労働者における減少幅が大きく、男性26万人減、女性50万人減となり、産業別では飲食の影響が大きいとの結果が出ております。  市内においても、非正規雇用や飲食店勤務の女性も多いことから、国と同様の影響が出ており、仕事や収入に変化が生じている方が多くなっております。そのような状況の中、支援が必要となる女性の把握と支援のため、婦人相談所や社会福祉協議会などの関係機関と連携を図り、困窮している相談者の状況について情報の共有ができる体制を構築しております。  また、相談方法につきましては、直接面談のほか、LINEを活用した相談を実施し、相談者の要望や内容に応じて法テラスなどの専門機関につなぐ対応も行っております。  女性の相談状況につきましては、昨年度全体で237件で、そのうち生活困窮の相談は7件となっております。そのほかに、社会福祉協議会でのくらし応援窓口での相談については、令和元年度が22件であったものが、令和2年度は32件と増加していると伺っております。  今後につきましても、各種手当の現況届提出や子育て世帯生活支援特別給付金の家計急変者分の申請などの機会を捉えて、女性の現状把握を行い、支援が必要な方の早期発見に努めてまいりたいと考えております。  次に、生活支援対策として各種支援事業に係る問合せ先の情報案内と相談窓口の集約化についてであります。国におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた子育て世帯生活支援特別給付金や今般通知のありました(仮称)新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金などの生活支援策を新たに打ち出しているところであります。  これらの生活支援策の市の担当部局は福祉部となりますので、手続につきましては新庁舎2階で受付や相談などの対応を行うこととしております。  また、陸前高田市社会福祉協議会が窓口となる緊急小口資金貸付け、総合支援金貸付けなどにつきましては、市が社会福祉協議会に委託している生活困窮者自立支援事業と連動し、双方の連携体制を整えているところであります。  今後におきましても、社会福祉協議会等と関係機関との連携を強化するとともに、国や県の支援制度のパンフット等により相談者に制度説明を丁寧に行うなど、市民一人一人に寄り添い、できる限りワンストップでの支援を円滑に進められるように努めてまいります。  以上をもちまして答弁といたします。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) では、再質問をさせていただきます。  最初に、漁業者の漁船漁業の方々の件でお聞きしたいと思いますが、漁船漁業の方々から、市内で何人か集まっている場にちょっと呼ばれまして、何とか支援といいますか、何とかしたいと相談受けまして、それで今回ちょっと質問をさせていただいたのですが、ところが予想以上に漁船漁業の方々すごく今頑張っていまして、漁協さんと交渉も重ねながら、独自に漁協さんにお世話になりながら道の駅あるいは漁協の通信販売、あとふるさと納税にも出してみようと、そういう体制も今急速に進みつつあるというお話も聞きました。後継者もなかなかいない、収入も減少している、こういった漁船漁業の方々が一歩踏み出して、漁協さんと力を合わせて、売るほうでまずは頑張ろうと、こういう取組をし出したところなのですが、こういう六次産業化の取組、こうした漁業者のやる気に市として何か後押し、さらにぜひ検討していただきたいと思うのですが、こういった動きへの後押しの考えについてお聞かせください。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎水産課長(菅野泰浩君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 水産課長。 ◎水産課長(菅野泰浩君) 水産課長からお答えいたします。  先ほど伊勢議員おっしゃった内容につきましては、漁協さんとも情報交換させていただいておりまして、方向性につきましてはみんながよくなる方向性だなというふうに感じております。そして、その取組が、漁船の皆さんに広まっていけば、なおさらすばらしい取組になるのかなというふうに考えてございます。市とすれば、これまで漁業者さんへの補償なり、共済の補填なりとか、様々な機を捉えながら補助等々進めてきたわけでございますが、今回の漁船漁業の方々につきましても、御答弁でも申し上げましたが、中長期なそういった視点を持って、何らかの御支援を考えていきたいと、そのように考えてございます。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) その取組なのですが、さらに後日連絡いただきまして、加工に当たる方々として、漁協でお仕事されているパートの女性の方々、この方々を保健所のしっかり許可を取って加工に当たっていただく。場合によっては、切り身とか、非常に消費者が手が出しやすいような形の加工品もこの漁船漁業の方々との連携によってそういう部分も広めたいと、こういうお考えだというのもお聞きしたのですが、私はこの漁業者に限らず、今後の陸前高田の六次産業化、あるいはふるさと納税、道の駅での販売、非常に漁業者の取組は先駆的な例になるだろうなと。その方々にぜひ寄り添いながら、例えば保健所の許可の取り方どうしたらいいのとか、そういういろんな疑問を持っていらっしゃいますので、漁協さん、あるいは市でも、一緒に歩みを進めながら、今回の課題、いろいろ取り組むということが今後陸前高田の農業でありましたり、ほかの返礼品の生産などにも非常につながるのではないかと。長期的に取り組むという考えがありましたが、市として加工のほうとか、許可を取るとか、そういった部分、農産加工のほうにもなるのかもしれないのですが、そういう部分でもきめ細かく応援していただきたいと思うのですが、その点ではいかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 我々が様々な方々を御支援申し上げようとするときに一番考えるのは、やはり何を求めておられるのかということだと思っています。勝手に我々が想像して、勝手な支援をするのではなくてです。ですから、今伊勢議員御紹介のように、具体的にこういうことで困っているのだ、あるいはこういう応援が必要なのだということを御相談いただければ、我々としては前向きに検討させていただきたいと、そのように思います。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。
    ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) 漁業者の方々が、自分たちの現状を打開したいという面でもう一つ要望を抱えていらっしゃいまして、それはこのコロナ禍での価格の低迷、それによる収入の減少、結局これが次どうなるかというと、薄利多売で、できるだけ捕って売るというしか打開の道がないという現状です。そして、遠くまで行って、危険を冒して漁をしてくるという、そういう取組につながってしまっていまして、やはりこれは漁業の在り方を変える必要があるというふうに私は思っておりまして、2000年から2015年ぐらいまで全国で資源管理をしながら、安定して漁業を継続できる取組を求める声が全国で上がりまして、水産庁では2017年から資源管理型の漁業をやった場合に様々な応援をすると。漁業をやる方が安定して仕事ができるようにという制度も準備して、漁業者の声に応えた形です。  ぜひ陸前高田の漁業も、この資源管理型漁業、よくその転換を言われるのですが、実際それが国の制度の下で漁業者にたくさんメリットがあるという現状もありますので、市として資源管理型漁業、そして国の支援もいただきながら、漁業者が安定して仕事ができる、それ一つ大きいのは、漁業共済に漁船漁業も入れると、漁獲共済という共済に入れるという制度もありますので、そういった加入も進めながら、収入の安定化を図るべき。それが、結局は資源の継続にもつながる、これいいことずくめだと思いますので、この転換をぜひ進めていただきたいと思いますが、水産業の考えについてはいかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎水産課長(菅野泰浩君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 水産課長。 ◎水産課長(菅野泰浩君) 水産課長からお答えいたします。  資源管理型漁業というようなことでございまして、国のほうも進めておられる状況でございます。また、我々等も、水産課並びに広田湾漁協につきましても、そのことにつきましては検討しているところでございまして、漁船漁業の方々とお話を重ねていく中で、どのような方法がいいのか、そういったことをお互い情報交換しながら、計画策定までいかないまでも、そういったお話はさせていただいているところでございます。先ほど伊勢議員おっしゃった、漁業共済、漁獲共済の補償につきましても、その計画がなければ国の補助は減額されるというふうな状況にありますことから、その共済をにらみながら、計画づくりを進めながらというふうな、双方の状況に今状況的には漁協さんも私どももあるというふうな状況です。  それで、何が必要かといいますと、いずれ共済は加入できるわけですけれども、国の補助をどこまでいただけるかということで、漁業者さんもそれでは入ってやっていけるとか、そういった気持ちにもなるものですから、本市としましても、資源管理型の計画策定することによって補助金をかさ増ししてもらえるというふうなことで取組を進めていきたいというふうに考えてございます。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) そういった計画策定しながら認定得られますと、漁協共済の掛金についても国で75%応援していただけると、そういう制度も活用できますので、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。  次に、汚染水問題についてお聞きします。先ほど市長からは、市長会でも提言をいただいて、それで市長会としても申入れもしたものというふうに思っておりますが、もし可能であれば、市長会での他の首長の方々がこの問題についてどのようにお考えだったのか、御紹介いただけますでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 市長会あるいはほかの会で、沿岸の市町村長さんと御一緒する機会もあるわけですが、そういった中では、沿岸の方々は当然地域に漁業があるわけですから、いや、これは困るというお話、そういう立場であります。まずは、説明がない、福島の方々には一定の説明あるのかもしれませんが、少なくとも岩手県内ではまだ説明を受けていないということですから、少なくともまずそれは最低限やってくださいと。それから、話合いというか、まずその場がない中でということで、どなたもちょっと戸惑っておられる、そういうことだろうというふうに思っています。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) この汚染水問題、何といっても当事者となるのは漁業者ですので、漁業者がこの問題にしっかり立ち上がって取り組まなければならないというふうに思いますが、地域のリーダーである首長の方々が、今御紹介いただいたような姿勢ということであれば非常に心強いので、漁業者とすればさらに頑張れるというふうに思います。議会の問題でもありますし、漁業者の問題でもあるのですが、市だけにこの問題を追求させるつもりはないのですが、今後この問題について、市とすればどのような取組が可能なのか、考えをお聞かせください。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 先ほど市長会の話も出まして、市長会としては当然東北市長会、それから全国市長会を通じて国に対して要望もさせていただいているわけでありますが、やはり第一義的には、漁業者の皆さんの意見を飛び越えて自治体の首長等が別な意見を言うということはあり得ないだろうということで、まずは全漁連なり、漁業者の皆さんの意見をできる限り尊重していきましょうねというのが各自治体のスタンスであろうというふうに思っているわけです。  今伊勢議員からの御質問、御指摘でありますけれども、我々ができることというのは、やはり正式に様々なところで申入れをするということも大事ですが、様々与野党の先生方、あるいは要職に就かれている方々とお会いする機会というのがあったり、お話しする機会というのはあるわけですから、そういうときに情報収集をしながら、それからやはり地域の漁業者の皆さんの温度感みたいなものをしっかり伝えていくこと、これは非常に大事だというふうに思っています。  御紹介いただいたように、当時はもうこれ以上水をためる場所がないのですと、タンクを置く場所がないのですということでありましたが、その後今御紹介いただいたように、少しまだ場所はありそうだというような話も出てきているわけですから、少なくとも結論を急ぐということではなくて、もう少しお互いにしっかりと話合いをする時間を設けていただくような、そういうお願いは積極的にしてまいりたいというふうに考えております。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) 陸前高田は、漁業を本当に一生懸命やっている方々も多く、あと支援もしっかりして、後継者も多く育って、そういう本当になかなかないまちだというふうに思います。ですので、ぜひこの汚染水問題では、漁業者も頑張る必要もあるし、私は議会も、今回いろいろ審議が進みますし、また市長ほか市全体でもこの問題については重視して取り組んでいっていただきたいと思います。  それでは次に、ふるさと納税についてお聞きしたいと思います。本当に全国でたくさんの方々に応援していただいているというのはありがたいことです。私が考える認定とか、あと一定の取りまとめをしていただいて一定の基準を守りながらというのを、私は重ね重ねで申し訳ないのですが、そういった一定の水準を保ちながら出す取組をやはり現状より強化すべきではないかと。生産者一人一人に判断任せられまして、荷物を出して、確かに非常にいいものが出るわけですけれども、個人に任せられてのばらつきといいますか、そういう部分もありますし、あと産地としての強みという面でも、一定の基準をクリアしながら出すということも消費者にも求められる努力かなというふうに思いますが、繰り返しで申し訳ないのですが、取りまとめによる一定水準での出荷体制というのについてのお考えをお聞かせください。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎市長(戸羽太君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 市長。 ◎市長(戸羽太君) 議員がおっしゃっている意味はすごくよく分かって、私もできることであれば検討はしたいというふうに思っています。ふるさと納税については、やはり例えばリンゴであれば、糖度の一定の保証というのがあるかないかで全然プレミア感というのは違いますし、皆さん御存じのとおり、様々な生産地においては、1個1万円のリンゴとか、そういうものも現実に存在し、買う人もいるわけです。だから、そういうことを進めていくためには、付加価値をつけていくためには、今おっしゃったようなことというのはやっていかなければいけない。  ただ、全体で基準をつくろうということになると、例えば全てのリンゴを選果するのですかとかとなってくると、今度そこに対する人件費だとか、様々なことが出てしまうと大変なこともあるのかなと。だから、やらないということではないのですが、どんな範囲でできるのか、あるいはどうやったら付加価値がつけられるのか、そういったところはぜひ前向きに検討させていただきたいと、そのように思っております。 ◆9番(伊勢純君) 議長。9番、伊勢純。 ○議長(福田利喜君) 伊勢純君。 ◆9番(伊勢純君) 生活相談体制についてお聞きしたいと思います。  ちょっと私てっきり商政課からお答えいただけるのかなと思ったのですが、福祉のほうでも非常に先ほどの答弁のように取り組んでいらっしゃるのは私も耳にしておりまして、すごく丁寧に対応されているというふうに思います。ただ、今回私がちょっと提案させていただきたいのは、この福祉の分野だけではなくて、仕事のほうの切り口でも生活の大変な方々を多用する機会があると思うのです。それで、そういった方々の悩みを理解しながら対応する、あるいは制度をつくっていくという意味では、仕事の面で生活相談も踏まえながら、商政課のほうでも大変な状況も理解しながら、体制の強化、対応を強めていっていただきたいというふうに思うのですが、そちらの部分ではいかがでしょうか。 ○議長(福田利喜君) 当局答弁。 ◎商政課長(木全洋一郎君) 議長。 ○議長(福田利喜君) 商政課長。 ◎商政課長(木全洋一郎君) 商政課長からお答えいたします。  福祉部長の答弁にもありましたとおり、ふるさとハローワーク、市のほうで運営させていただいておりますが、そちらのほうにおきましては、大船渡公共職業安定所からの情報とほぼ同じ情報が得られて、かつそこに転職等の相談だけではなくて、そういうことにかかわらず、敷居をある意味下げて、どなたでもお気軽にお越しいただいて情報が得られるような、そんな雰囲気にしていきたいということで、昨年来ずっと議論をさせていただいているというところでございます。今議員御指摘の、本当に生活にお困りの方は、お仕事も生活もそれぞれお困りだということで、まさに社会福祉協議会と市のふるさとハローワークがタイアップをして、それぞれでそれぞれの情報を融通し合って出していくということは非常に大事なことだと思いますので、今後前向きに検討させていただきたいと思っております。 ○議長(福田利喜君) 以上で9番、伊勢純君の一般質問を終わります。 ○議長(福田利喜君) この際、お諮りいたします。  本日の会議はこの程度で延会することとし、明16日午前10時から本会議を開き、本日の議事を継続することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(福田利喜君) 御異議なしと認めます。  よって、本日の会議はこの程度で延会することとし、明16日午前10時から本会議を開き、本日の議事を継続することに決しました。 ○議長(福田利喜君) 本日はこれにて延会いたします。    午後 3時39分 延   会...